iPod課金

iPod課金を提案=著作権法改正も-文化庁
5月8日16時32分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080508-00000102-jij-soci

 著作権保護のためにデジタル方式の録音録画機器に補償金を課す制度について、文化庁は8日、iPodなどのデジタル携帯プレーヤーとハードディスク駆動装置(HDD)内蔵型録画機器を対象に加える見直し案を、文化審議会の私的録音録画小委員会に提示した。(以下略)

 自分はデジタル携帯プレーヤーへの補償金には反対します。さいきんの自分は市販の著作権コンテンツは殆ど聞いておらず、VOCALOIDオリジナル曲ばかりでを聞いており補償金を支払う理由がない事と、自分がiPodに入れているCDコンテンツは正規購入したもので、同様に補償金を支払う理由がない事です。

 著作権法の法目的は1条に記載されているように、文化の発展に寄与することです。

第一条  この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする

 よって、著作権者等の権利の保護を図ることは手段にすぎず、また著作権者等の保護の上では文化的所産の公正な利用に留意しなければなりませんが、文化庁の施策は著作権者等の権利の保護に偏りすぎ、かつアナログ時代の補償金の風習をそのままデジタルコンテンツに適用したため、デジタル時代の文化的所産の公正な利用を阻害する恐れがあり、よって文化の発展に寄与できないように思えます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

エルマークについて

エルマークとは、社団法人 日本レコード協会の登録商標です。我々が音楽配信を安心して利用しようとする趣旨のマークであり、正規のCD音源や音楽ビデオなどの配信を行っているウェブサイトのトップページ・ダウンロードや購入決裁を行うページ等に表示されます。

 違法なダウンロードサイトには、エルマークが付与されていないか、または偽造されたエルマークが付与されることになります。エルマークが付与されていない場合には、ユーザーは正規のCD音源や音楽ビデオであることが保証されないことが判断できます。
 偽造されたエルマークの場合には、ユーザーは正規のCD音源等が配信されているサイトと誤認するおそれがありますが、その場合には日本レコード協会が偽造エルマークを使用するサイトの運営者に対し、日本の商標法にもとづく差し止め請求等をおこなうそうです。

ここで、論点がいくつか挙げられるとおもいます。

1)国外サイトがエルマークを無断使用した場合。
 エルマークの商標権は日本の商標法にもとづく権利であり、外国サイトが外国においてエルマークを無断使用した場合、その商標権は及びません。この場合にはユーザーはエルマークを信用して音楽をダウンロードしても、実は違法コンテンツであり、かつ日本レコード協会がそのサイトのエルマークの使用について差止請求ができない場合があります。

2)国内サイトが外国のみに頒布されているCD音源や音楽ビデオを扱う場合。
 エルマークの範囲から外れると思われるため、この場合にはサイトにエルマークを付与することができないと思われます。この場合、ユーザーにとってエルマークは何ら意味を持ちません。

3)国内サイトが正規の契約によってエルマークを使用しているが、違法コンテンツをダウンロードさせている場合。
 日本レコード協会は、エルマークの使用に関する審査や監査には何ら言及しておりません。もしも何らサイト内容を監査していなかったならば、エルマークを表示していながらも、違法コンテンツをダウンロード可能とするサイトが現れる恐れがあるとおもいます。この場合、ユーザーにとってエルマークはかえって違法コンテンツを正規コンテンツと誤認する要因となります。

4)ユーザーが自主作成した楽曲等、レコード会社に拠らないコンテンツの場合。
 エルマークはレコード会社との契約によって配信されているCD音源や音楽ビデオであることを示すにすぎず、よって、ユーザーが自主的に作成したコンテンツの適法性や違法性の判断には全く使えません。たとえば初音ミク・オリジナル曲のうち、レコード会社の管理にないものです。この場合、ユーザーにとってエルマークは何ら意味を持ちません。

 その他、世界最大の音楽販売サイト iTunes Music Storeがエルマーク非対応であるという問題や、エルマークは只のGIF画像であり何ら正当性をチェックする仕組みが用意されていないという問題もあります。
 できるならば、日本レコード協会には、ちゃんと暗号化技術やデジタル認証技術をつかっていただきたいと思います。そして、レコード会社に拠るコンテンツだけでもいいから、ユーザーがWEBサイトから安心して購入できる仕組みを考えて欲しいです。
 もしかすると、ベリサイン社と組めば、そのあたりの仕組みをうまく仕立て上げてくれるかもしれません。

| | コメント (2) | トラックバック (0)