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アニメーターという職業の終焉

アニメーターとは、アニメーションの原画や動画を描く人のことです。詳しくは作画wikiをご覧ください。日本国内のアニメーター人数をフェルミ推定で求めてみます。

・1週間あたりの新作アニメーション番組数は20~30番組です。(Yahoo Japanのテレビ番組欄より、30分番組に限定してカウントしました)

・30分番組から、CMやオープニング・エンディング・予告を除いた実際の放映時間は21分30秒です。この放映時間すべてフルに動いていたならば1280秒×8枚=10,320枚の動画を要しますが、背景画のパンニングやリピートなどを駆使することにより実際の作画量は4,000枚程度になると推定します。

・1日あたりのアニメータ(動画家)の作画数を15枚と推定します。根拠資料はアニメータ養成プロジェクトです。

・アニメーターが週6日働いたとして90枚の作画が可能で、1番組に要するアニメーターは44名ですが、実際には原画家のカット割には更に時間を要します。よって、1番組に要する原画家と動画家を含めたアニメータを50名と推定します。これに週当たりの新作番組数と掛けることで、日本国内のアニメータ総数は1,000名~1,500名という数字が算出できます。

さて、提起したい課題は、この国内約1000~1500名から構成される「アニメータ」という職業の終焉が近いということです。以下の動画をご覧ください。(著作権者の方へ、以下は広告宣伝用動画でありリンクの紹介は問題ないと判断いたしましたが、問題と思われた場合にはコメント欄に記載願います。)

これはフロントウイング社の「タイムリープ」というXBOX360上のポリゴンキャラクターゲームなのですが、驚くことにTVのアニメーション番組と何ら遜色ないということです。「表情、仕草、全てがいきいきと動く奇跡のポリゴンキャラクターゲーム」と銘打っていますが、何らそのキャッチコピーに反することはありません。

 このシステムは、恐らく人間の動作をキャプチャして、その動作をポリゴンモデルで再生していると思います。人間の動作のキャプチャには多くの工数を要する為、その工数をいかに削減するかという課題がありますが、その課題され達成されれば、現在のアニメータの多くは、その職を追われるか、三次元ポリゴンモデルの造形師となるか、または3次元的ポリゴンモデルの動作やカメラアングルを指定する「ポリゴン・アニメータ」となるという将来を予測します。

「タイムリープ」と同種のシステムとして「らぶデス3」(18禁)がありますが、いちおいう18禁の趣旨に鑑み動画リンクを貼るのは控えます。そういえば、タイムリープも元々は・・・

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コメント

はじめまして。

3Dモデリングをセルアニメに融合させる手法は、すでにメカ関連ではよく使われるようになっていますね。
技術面もいろいろ確立しつつあるので、キャラクターに適用されるのも時間の問題といえると思いますが、従来の手法がなくなるとも思えません。
従来の手法もなかなか味がありますし、3Dからのセル化だと滑らか過ぎて違和感を感じるときがあります。

とはいえ、この手法が本格化し、今回の提起は現実味を帯びてくるとすれば『子供向けアニメ』で使われるようになったときでしょう。
最近では小児向けコンテンツでもキャラクタを3D表現することが普通に行われているので、小児の方が違和感を感じることが少ないかもしれません。

早い話が、『タイムリープ』でその話は説得力としてどうでしょうかということなんですがw

投稿: 謎の匿名希望 | 2009年5月 4日 (月) 08時03分

謎の匿名希望さん、コメントありがとうございます。
ここで紹介した「タイムリープ」だけでは、やはり根拠としては弱いと思いますが、代表的な子供番組「フレッシュプリキュア」のエンディングもポリゴンアニメーションで作成されています。

この書き込みのパート2を作成し、更に考察を進めたいとおもいます。

投稿: 和泉聡 | 2009年5月 4日 (月) 11時19分

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