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フォン・ノイマンの生涯

いま、「フォン・ノイマンの生涯」を読んでいます。
様々な技術領域で多くの業績を残した学者らしく、頭のよさと変人さに係る逸話が多く残っています。例えば以下の問題を独特の方法で答えたりしました。

南北20キロ離れた二台の自転車が向かい合って同時に時速10キロで走り出す。
 走り出した瞬間に北側の自転車からハエが飛び立って時速15キロで、南側の自転車にタッチしてUターン、それを順次繰り返してハエが2台の自転車にはさまれてお陀仏になるまで、ハエは合計何キロ飛翔するか。

簡単な解答法は、2台の自転車がぶつかるまでの時間を求めます。

 1時間=(20キロ÷(時速10キロ+時速10キロ)

これがハエの飛翔時間になりますので、ハエの飛翔速度を掛けて飛翔距離累積を求めます。

 15キロ=1時間×時速15キロ

フォン・ノイマンの答えは「無限級数の和を求めただけ、本当の数値はもっと複雑」だそうです。その思考パターンをトレースしてみました。

①最初にハエが南側の自転車にぶつかるまでの時間を求めます。

 0.8時間=20キロ÷(時速10キロ+時速15キロ)

②ハエの飛翔距離は12kmです。このとき南側の自転車の位置は南から8km、北側の自転車の位置は北から8kmで、両者の間隔は4kmで、元の1/5に狭まっています。

③次にハエが北側の自転車にぶつかるまでの時間を求めます。

 0.16時間=4キロ÷(時速10キロ+時速15キロ)
 =0.8時間÷1/5

④このときのハエの飛翔距離は0.16時間×時速15キロです。

無限級数の和は

 ハエの飛翔距離=12km+12km÷5+12km÷(5の2乗)+12km÷(5の3乗)+・・・
   ∞              n
 =Σ(12km ÷5   )
   n=0

 =15km

この本を読んでいて出てきた逸話ですが、昔に同類の問題を問われて、簡単な解答法の法で答えた覚えがあります。たぶん、「フォン・ノイマンの生涯」が元ネタで出題されたのだと思います。

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コメント

不思議なノイマン伝を見たので書きます、ノイマンの最後です。国家機密を漏らす可能性で陸軍の情報将校が見張ったとの事ですがそれはおかしいです。何故なら判っても出来ませんから、ソ連が3年後に作りますが36個の起爆装置です。火薬の性能差が原因でしょう。でもアラスカで重労働か別荘と年金は違いますな。ノイマンの最後には国防総省長官と副長官、陸海空の長官と参謀長そして原子力委員長はいたのです。これは問題になりました、国家安全保障上そこが攻撃されたらどうするとなったのです。以後ノイマンに匹敵する人物もいませんから問題になってません。国防総省のノイマンに対する評価は一人で全軍に匹敵するとの事です、ある物理学者の本に有りました。

投稿: 彩香 | 2010年5月 5日 (水) 01時54分

こんにちは彩香さん。コメントありがとうございました。

>国防総省のノイマンに対する評価は一人で全軍に匹敵するとの事です、ある物理学者の本に有りました。

この物理学者の本について、よかったらご紹介をお願いします。

投稿: 和泉聡 | 2010年5月25日 (火) 08時55分

記憶に問題が有り自信が無いですが(FDに入ってるか?FDDが無いので)パンダーストーンの「囚人のジレンマ」ではないかと思われます。大した内容の本では無いので、ノイマンに関しては未だ不明点が多いので「フォン・ノイマンの生涯」の著者ノーマン・マクレーはエコノミストの記者で編集長になりミスター・エコノミストとして有名です。木下玲子がインタビューで断トツに苦しんだ相手です、フォーリン・アフェアーズやIEEなどの取材は楽でしょう。ちなみにマクレーの記事米国国家防衛戦略の中枢に経済学者がいるの後書きには、笑いました。昔竹村健一が書いた本に有りましたから、それに「」の1行に気付きましたか、最高機密でしょうが。娘のマリーナも簡単に入れるプリンストンは拒否してラドクリフに行ったのでしょう、HEPの学生数を考えれば。そういえば秋葉のぷらっとホームの前の店のバックアップセンターは当方でした、懐かしいですね。故本多社長には驚きました、まあダイナブック(iPhone)は見たでしょうから、前田店長はどうしてますかね。

投稿: 彩香 | 2010年12月17日 (金) 18時54分

ああ、それと忘れましたが米国では国家安全保障上の特許は登録されませんし国防総省には山ほど有ります。今TVでジャクリーンの話を遣ってましたがケネディは政略結婚で米国東部の名門はハーバードは拒否するものです、でもジョセフは大統領を狙い東部屈指の名門ブービェ家の娘と一緒にさせる事に成功したのです。それのパロディがロッキーですよ、アイルランドの種付け馬はケネディです。ベトナム戦争を始め敗戦はハノイ空爆や中国・ソ連ルートの爆撃を拒否した国防総省と大統領に有りました、ゲーム理論の問題では有りません。それにキューバ危機の時水爆実験は原子力委員会のパワーが大統領を超えるものでした。

投稿: 彩香 | 2010年12月17日 (金) 19時26分

見つかりました、以下の本です。

朝日新聞社 2004.1.30 アブラハム・バイス

物理学者たちの20世紀

投稿: 彩香 | 2011年1月22日 (土) 18時21分

彩香さん、本のご紹介ありがとうございました。早速目を通してみます。

投稿: 和泉聡 | 2011年1月23日 (日) 13時50分

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