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アニメーターという職業の終焉#2

前回とりあげた「アニメーターという職業の終焉」について更に考察してみました。

 日本に於いてアニメーターという職業が大きく広まったのは、手塚治虫氏および虫プロダクションのTVアニメーション「鉄腕アトム」からです。それ以来ずっとアニメーターに求められる能力は、作画と動画像把握及び動画による感情表現でした。特に作画能力は特殊であり代替が利き難い為、アニメーターという職業への参入障壁となっていました。しかし、コンピュータの3D表示能力の進化が、そのアニメータの領域を侵食しつつあります。具体的には3Dモデリング・ツールが充分に廉価かつ高速に動作するようになり、作画能力を有さない者であってもアニメーション作品を作成できるようになったからです。

 ニコニコ動画に投稿された動画を母集団として、自主制作アニメーション作品(恐らく従来の二次元手書きアニメ)とMikuMikuDance(フリーの3Dモデリング・ツール)を使った作品の件数を調査したところ、MMDで作成された作品が圧倒的に多いことがわかりました。

キーワード:自主制作 アニメ を含む動画:343件
キーワード:MMD を含む動画:2,682件

 MikuMikuDance とは、初音ミクの3Dモデルを自在に操作できるフリーソフトウエアですが、最近は初音ミクやVOCALOIDに限らず、様々なキャラクターが製作されています。以下URL "SaYaKa Project" に「けいおん」平沢唯や「こどものじかん」九重りんが掲載されていますが、驚くほどに高度なモデリングです。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/kakomiki/page/3ddata.html

 また、3Dモデリングツールによるアニメーション製作能力の向上は驚くべきものがあります。この Silenceは凡そ9分間の作品ですが、たった1人の方(かんなさん)の手によって作成されたものです。

有名な "Melody 3DPV" の MMD版も貼っておきます。

 従来の「アニメーター」という職業の参入障壁の「作画能力」は、コンピュータの3Dモデリングツールによって乗り越えられます。更に、3Dモデリングツールによってアニメーション作品の生産性が劇的に向上する為、従来の二次元の作画を業とするアニメータという職業は終焉を迎えます。

 もちろん、従来型の二次元手書きアニメーターという職業はは完全には消失しません。作品の演出上、二次元の手書きアニメーションという形態が望ましい場合もあるからです。但し、その需要は現在の数分の1に減少すると思われます。

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コメント

2Dは2Dなりに需要があるので完全終焉することはないでしょうが、終焉に近い状況へと向かっているのは間違いなさそうですね。

先に「タイムリープ」の例を挙げられましたが、最近の3Dアニメは初期の3Dにあった「特有の不気味さ」を上手に解決しており、3Dであるのに2Dアニメを見ているかのようです。
PCの画像処理性能の飛躍的向上と、MMDのような神モデリングツールの登場も相まって、そのペースが加速されているように思えます。

投稿: 麻太郎 | 2009年5月12日 (火) 12時55分

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