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青いバラ その3

青いバラ公式HPの「開発の歴史」から、対応特許出願を調査してみました。http://www.suntory.co.jp/company/research/hightech/blue-rose/history.html

「1991年 ペチュニアから青色遺伝子取得、特許出願」

対応する特許は特表平6-500239とおもいます。

【公開番号】特表平06-500239
【発明の名称】ブラボノイド経路の酵素をコードする遺伝子配列及びその使用
【優先日】 1991年7月11日

【出願人】インターナショナル フラワー ディベロプメンツ プロプライアタリー リミティド

【発明者】

ホルトン ディモシー アルバート
コーニッシュ エドウィナ セシリー
コバシク フィリバ
タナカ ヨシカズ
レスター ディアン ルース

【要約】本発明は、ジヒドロカンフェロール(DHK)ヒドロキシル化酵素又はその誘導体もしくは部分をコードするか又はそれをコードする配列に相補的なヌクレオチド配列を含んで成る核酸単離体に関する。
本発明はまた、前記核酸物質を有し、かつ発現するトランスジェニック植物に関する。

【特許請求の範囲】

【請求項1】ジヒドロカンフェロール(DHK)ヒドロキシル化酵素又はその誘導体もしくは部分をコードするか、又はそれをコードする配列に相補的なヌクレオチド配列を含んで成る核酸単離体。

【請求項4】前記酵素がベチュニア、バーベナ、ヒエンソウ、ブドウ、アイナス、フリージア、アジサイ、シクラメン、ポテト、パンジー又はナス由来である、請求項1~3のいずれか1項に記載の核酸単離体。

【明細書】(一部抜粋)

本発明に従えば、3'.5'-ヒドロキシラーゼのごときDHKヒロドキシル化酵素をコードする核酸配列をトランスジェニック植物に導入しそして発現させ、それにより、植物細胞中で合成されるなら、DHK及び/又は他の適当な基質を、最終的に、アントシアニジンのアントシアニン誘導体、例えばデルフィニジンベチュニジン又はマルビジンに転換することができる。これらのアントシアニンの生産は青色及び青様色の種々の色相の形成に寄与する。

出願人は「インターナショナル フラワー ディベロプメンツ プロプライアタリー リミティド」であり、サントリーでもカルジーンパシフィック社でもありません。発明者5名をチェックすると、見覚えのある名前がありました。

 ホルトン ディモシー アルバート
 コーニッシュ エドウィナ セシリー
 コバシク フィリバ
 タナカ ヨシカズ
 レスター ディアン ルース

 4番目の発明者の「タナカ ヨシカズ」さんは、サントリー株式会社 R&D推進部 植物科学研究所所長で、理学博士であらせられる田中 良和 氏と思われ、よって青いバラ関連特許と判断いたしました。WEB記事 「やってみなはれ」の伝統が生んだ革新的新商品 によると、ベチュニアの青色遺伝子の抽出に成功したのが1991年6月で、上記特許がオーストラリアに出願されたのは1991年7月ですので、日付として最もよく符号します。
 

 当該明細書中に発明の課題が記載されていますので、以下引用します。

主要な切花品種、例えばバラ、菊、カーネーション及びガーベラの青色品種の開発は、切花市場及び鑑賞市場の両者においてかなりの機会を提供するであろう。

 上記列挙されたうち、サントリーはカーネーションとバラの青色品種を既に開発されたので、次なる課題として菊とガーベラを挑戦されているのではと思います。

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