ICチップの商標の不正使用
パチスロICチップ商標偽装、メーカー幹部ら7人逮捕
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080729-OYT1T00675.htm?from=main3
まるっきり、短答式筆記試験の過去問のようですね。いや、その過去問自体が実際に起きた事件を元にしているのですから、またも同様な事件が繰り返し起きたというべきでしょうね。
ここで論点になるのは、パチスロICチップの商標は、パチスロ機器にICが組み込まれた状態であっても、商標法上の使用の概念にあたるかという点です。
商標は2条に定義されています。
商標法2条
この法律で「商標」とは、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれら倒し記載との結合であって、次に掲げるものをいう。
そして、商標の使用の概念は2条3項1号に規定されています。
この法律で標章について「使用」とは、次に掲げる行為をいう。
一 商品又は商品の包装に標章を付する行為。
ICチップ単体を流通段階に置いたならば、商品に標章を付する行為であり、視認性を有することから商標の機能を発揮することは言うまでもありませんが、いったんパチスロ機器に組み込まれた段階では一般需要者はそれを視認することができず、よって商標の機能は発揮できず、よって商標の使用にはあたらないかのようにも思われます。
しかし、パチスロ機器の購入者が、パチスロ機器内部を視認してその品質を確かめる商慣習があったならば、パチスロ機器の需要者が視認する対象となり、よって不正な商標の使用により誤認混同が発生し、よって商標権の侵害が発生することになります。
| 固定リンク
「弁理士試験」カテゴリの記事
- 合格祝賀会(2009.11.15)
- 暑気払い(2009.08.09)
- 弁理士試験・短答式筆記試験合格発表(2009.06.11)
- 口述試験練習会(2008.11.15)
- 平成20年度論文式筆記試験合格発表(2008.09.19)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント