「著作権の効力の制限」を考えてみる
著作権法は著作者保護を目的とする法律ではありません。目的は「文化の発展」であり(著作権法1条)、その目的を達するために第5款で、著作権の効力の制限が記載されています。
30条:私的使用のための複製
31条:図書館等における複製
32条:引用
33条:教科書図書等への複製
33条の2:教科用拡大図書等の作成のための複製
34条:学校教育番組の放送等
35条:学校その他の教育機関における複製等
36条:試験問題としての複製等
37条:点字による複製等
37条の2:聴覚障害者のための自動公衆送信
38条:営利を目的としない上演等
39条:時事問題に関する論説の転載等
40条:政治上の演説等の利用
41条:時事の事件の報道のための利用
42条:裁判手続等における複製
42条の2:行政機関情報公開法等による開示のための利用
43条:翻訳、翻案による利用
44条:放送事業者等による一時的固定
45条:美術の著作物等の原作品の所有者による展示
46条:公開の美術の著作物等の利用
47条:美術の著作物等の展示に伴う複製
47条の2:プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等
47条の3:複製権の制限により作成された複製物の譲渡
公開の美術の著作物等については、利用又は二次利用することができます。(46条)公開された美術作品の利用が著作権により制約されるとするならば、新た著作活動を阻害し、文化の発展に寄与しなくなる恐れがあるためです。
ここでいう「前条第二項に規定する屋外の場所」とは、街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所をいいます。(著作権法45条2項)
著作権法46条に規定されているのは、美術の著作物で、原作品が45条2項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているものと、建築の著作物に限定されています。
しかし、46条の趣旨から、音楽の著作物で恒常的にインターネットで一般公衆に公開されているものは、自由に利用可能とする事が文化の発展に寄与すると判断します。
ニコニコ動画へのアップロードが、「一般公衆に公開」に該当するかは議論の余地があります。ニコニコ動画は登録ユーザーのみに公開されたシステムだからです。自分は、メールアカウントの登録のみで一般会員になれるという緩い制限しかないため、ニコニコ動画は「一般公衆に公開」にあたると解釈いたします。
将来的にはインターネットで一般公衆に公開された音楽の著作物は、少なくとも一般公衆に公開されつづけている限りにおいて、自由に利用可能とするように法改正がなされる事を希望いたします。
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