特許法29条1項柱書の試作品
特許法29条1項柱書を初音ミクに喋らせてみました。まだ試作品ですので、音階とピッチを含めて全部手で打っていますが、将来的には Perl スクリプトでVSQファイルを自動生成する予定です。
自然文の形態素解析は最初 Mecabを使おうかと思っていましたが、Yahooの形態素解析WEBサービスの方が楽そうです。
前回の試作品よりも少しだけ自然な喋りに近づけたのではないかと思います。備忘録として以下に喋りの技術を記載します。
◆「とっきょほう」の促音の「っ」について
促音の「っ」を直接に入力すると、有声子音で発音し、発音が強すぎて不自然になります。PHONETIC(発音記号)に "ts M" と表記されている末尾の M を削除すると、無声子音になり、自然な発音となります。
◆アクセントについて
①基本的なアクセント
基本は2音階でおこないます。
②アクセントと単語と文脈の関連性
アクセントは単語のみでは決まらず、文頭か文中かでも相違するようです。例えば「とっきょ」ですが、文頭では「とっ/きょ」と音階を上げ、文中では「とっ\きょ」と音階を下げています。標準語の発音では、直前の音階に依存して、音階の上げ下げが決まるするのかもしれません。まだこの点では調査を要します。
図2、文頭における「とっ/きょ」の発音
図3、文中における「とっ\きょ」の発音
③音階の自己調整
喋り始めの1文節と、それ以降の文節で微妙に音階を変えると人間っぽくなりました。人間も最初の一文節で音階の自己調節をおこない、最適な音階に再設定して、それ以降の文節を発音しているのではないかと思います。
◆ピッチについて
ピッチは、強調したい部分である名詞を4/32で、それ以外の代名詞、動詞、形容詞、副詞、助詞等を3/32としました。人間が文章を発音するときも同様に、重要と思う部分をゆっくりと、そうでない部分を早く発音していると考えたからです。
これにより重要キーワードを音でマーキング可能となるという副次的な効果が生まれるとおもいます。
◆ブレス音について
文章の区切りの部分である「、」と「。」の部分にブレス音(息継ぎ音)を入れました。人間の喋りを模倣し、自然に感じるようにするためです。
ブレス音の入力は、PHONETIC(発音記号)に、br1,br2,br3,br4,br5 いずれかを記載します。
図4、初音ミクのブレス音
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