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初音ミク・シーケンスファイルの形式

もう既に 初音ミクのシーケンスファイルを解析されている方もいます。
Vocaloidファイルから口パク用情報を取り出すツール:Rev 0.20
この口パク情報ファイルを使って、動画と自動リップシンクすれば、あら、あなたも簡単プロモーションビデオが出来てしまう・・・かもしれない。
現在は、あちこちのサイトに落ちている.初音ミクのシーケンスファイル(VSQ ファイル)をこのツールに喰わせて、色々と内部構造を推定中です。

ところで、初音ミクのシーケンスファイル形式(VSQファイル形式)の元ネタはSMF形式=標準MIDI形式なのですね。SMAF形式ではと推定したのは微妙に違っていたので残念です。なお、MIDI仕様書は太郎さんのブログの標準MIDIファイル仕様(SMF)覚書にリンクがあります。

重要なリンクは、バックアップの為に当該ブログにも貼っておきます。
 
◆こちらはMIDI Manufacturers Association(MMA)のサイトに有る仕様書(英文)です。
 SMF仕様書  
 SMF追加仕様書

◆こちらは「有志」の方のHPです。太郎さんのブログに記載されたうち、2つは既に焼失しています。
 The MIDI Specification
 Introduction to Computer Music  
 "MIDI File Format" 
 A crash course on the standard MIDI specification
 MIDI File Parsing 
 詳説MIDI規格

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ヤマハの音声合成技術

今回は、ヤマハの音声合成技術の推移を追ってみました。

◆1997年6月25日 インプレスPCウオッチ
メロディと歌詞によりリアルタイム音声合成が可能
性別や年齢など、細かく音声を指定可能

ヤマハ、歌を唄える新音源を開発。新発売のMIDI音源用拡張ボードとして発売

 

これが最初の音声合成に係わる製品と思います。PLG100-SGが唄う「木曽節」のサンプル音声を聞いてみましたが、出来上がりは.....微妙....。自分が音楽家だったら、この音声合成ボードは使わないと思います。

◆2003年12月16日 インプレス ケータイウオッチ
ヤマハ、人の声を合成できる音源に対応した制作ツール
 

このとき、携帯向け音源LSI MA-5 の音声合成機能を用いたコンテンツ製作ツールがリリースされました。MA-5 では、Voice Synthesis function by HV (Humanoid Voice) がカタログに訴求されていました。YAMAHAのサイトへのリンクが全て切れているので、音質は不明です。

◆2004年2月10日 窓の杜
ヤマハ、「Becky!」専用の音声合成プラグイン「Becky! HV Plug-in」を公開
メールの開封時に任意の音声を携帯電話からしゃべらせることができる

 

一企業が「窓の杜」にフリーソフトを提供し、かつメールを読ませるという課題に挑戦しているのにはちょっと意外でした。目的はMA-5を搭載した携帯との連携動作です。

ヤマハはこの時点では音声合成機能を HV (Humanoid Voice) の名称で売り込もうとしていたようです。


◆2005年6月10日 ITMedia
ヤマハ、“脱着メロ”の音源チップ「MA-7」投入
128和音、3D対応など最新機能に対応しながら、ミュージックプレーヤー機能との組み合わせを考慮。Class-Dアンプを内蔵し、スピーカーの消費電力を削減できる。

そして、最新の音源LSI MA-7 がリリースされました。MA-7 の合成音声は しゃべる絵本 for MA-7 で聞くことができます。

◆2007年8月31日 PCウオッチ
「VOCALOID 2」を使ったバーチャル歌手「初音ミク」が発売
-声優を自在に歌わせるソフトウェア音源

そして、今年8月に初音ミクが発売されました。

余談ですが、SMAF GLOBAL に、ヤマハのマルチメディア・データ形式のSMAF仕様書が掲載されています。もしかすると、VOCALOID の .vsq ファイルは、SMAFのデータ形式が流用されているのではと考えています。データ形式の設計には多大な労力が掛かるため、既存のものを流用することが多いためです。

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米国特許法

 本日は都心にて米国特許法のセミナーを受講してきました。これで5回目くらいかな。
 米国特許商標庁(USPTO [ユーエスピーティーオー] と言うとかっこいいですね)に、日本語で出願ができます。これは日本国特許庁に英語で外国語書面出願できるのと同様です。しかし、日本国特許庁では「誤訳訂正書」をつかって、翻訳の誤りを訂正できるのに対して、米国ではそれに対応する制度がなく、翻訳文の範囲を逸脱する補正は新規事項の追加(New Matter)にあたるところが相違します。
 そういえば、外国語書面出願の趣旨について口述で問われたことがありましたね。パリ条約の優先権をつかって翻訳文を出願する事と外国語書面出願との相違点は、翻訳に誤りがあった場合であっても誤訳訂正書で救済されるという点が相違するのですが、その点に気づかずに答えに詰まると「C判定」となるという厳しい問題でした。

 今日は、米国特許法の「継続性のある出願」について学んできました。スペルは Continuing Application でよかったかな。種類は次の3つです。
 ①分割出願 (Divisional Application)
  いわゆる日本の分割出願と同じですが、自発分割は認められていない点が相違します。
 ②継続出願 (continuation application)
  再度、同一内容を審査をしてもらう出願をいいます。日本では対応する制度はありません。
 ③一部継続出願 (continuation in Part : CIP)
  上記の継続出願に、新たな発明を付加しておこなう出願をいいます。但し、付加された新たな発明に関しては原出願時の利益を享受できません。
 なんだか日本の国内優先権制度のようですが、こちらは出願日が遡及するようですので法的には違いがあります。
 上記3つの継続性のある出願(Continuing Application) は、いずれも原則として原出願時の遡及功を有します。
 米国特許法もちゃんと勉強しないといけませんね。まだまだ用語が耳慣れないものばかりです。MPEP (日本の審査基準に相当?)を読みこなさないと駄目かな。

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意匠法上の物品の定義

口述試験-意匠法において問われた「意匠法上の物品の定義」とは、意匠審査基準に記載されています。該当個所を確認しました。

第2部 意匠登録の要件
第1章 工業上利用することができる意匠 <PDF 63KB>

21.1.1.1 物品と認められるものであること
(1)意匠法の対象とする物品について
意匠法の対象とする物品とは、有体物のうち、市場で流通する動産をいう

次は、意匠法上の物品と認められない例です。これはレジュメの語呂合わせ通り「天著不」でOKです。以前はこれに「サービス意匠」が入っていました。
最新の審査基準ではサービス意匠は工業上利用することができない例ではなくなりましたが、やはり意匠登録を受けることはできません。理由は「物品の形態ではないから」だと記憶しています。

21.1.3 工業上利用することができるものであること

①自然物を意匠の主たる要素として使用したもので量産できないもの
自然石をそのまま使用した置物のように、ほとんど加工を施さない自然物をそのままの形状で使用するもの、すなわち自然が生み出した造形美というべきものを意匠の主たる要素としたものであって、工業的技術を利用して同一物を反復して多量に生産し得るものでないことから、工業上利用することができるものに該当しない。

②土地建物などの不動産
工業的技術を利用して同一物を反復して多量に生産し得るものでないことから、工業上利用することができるものに該当しない。(上記21.1.1.1(2)「物品と認められないものの例」参照)

③純粋美術の分野に属する著作物
このような著作物は、工業的技術を利用して同一物を反復して多量に生産することを目的として製作されたものではないため、工業上利用することができるものに該当しない。


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Live Searchで初音ミクを画像検索!

いや、MSNサーチのトップページ右上なんですけどね。

Msn_hatsune_miku
もうちょっと拡大してみましょう。これで読めるかな。
Msn_hatsune_miku_up_2
いや、笑いましたよ。MSNの中の人も洒落がわかっている。
これだけ迅速に対処できるということは、恐らくファンの人がいるんでしょう。
初音ミクというと、某TV局で妙な紹介をされたり、画像検索がGoogle八分に有ったりと色んなことがありましたが、MSはこれを逆手にとってMSNサーチの宣伝とはやりますね。(笑)

追記:Internet Explorer だと、最初に一瞬だけ表示されますが、FireFox ならばずっと表示されたままになります。

初音ミクのネタついでに、オリジナル曲「あなたの歌姫」の3Dプロモーション画像付きを貼っておきます。いや、こんな面白いものばかり見られるんで、最近はTVってあまり見てないんですよね。ニコニコ動画の職人の諸兄に感謝です。

 

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先使用権

口述試験の特許法・実用新案法で問われた「先使用権が無償の通常実施権である理由」は、特許庁HPに掲載されている 先使用権制度ガイドライン(事例集) が元ネタのようです。次に引用します。

 先願主義の立場を完全に徹底させると、先願者の特許出願時以前から、独立して同一内容の発明を完成させ、さらに、その発明の実施である事業をし、あるいは、その実施事業の準備をしていた者についても、特許権に服することになり、公平に反する等の結果となり得ます。
 そこで、先願者の特許出願時以前から、独立して同一内容の発明を完成させ、さらに、その発明の実施である事業をし、あるいは、その実施事業の準備をしていた者(先使用権者)は、法律の定める一定の範囲で、先願者の特許権を無償で実施し、事業を継続するとすることにより、両者間の公平を図ろうとするのが、先使用権の制度です。
(先使用権制度ガイドライン9頁より)

論文式筆記試験で「先使用権が出る」と噂されていたのですが、口述試験で改めて出題されました。この文章もざっと斜め読みはしていたので凡その再現はできたのですが、あまり厳密な再現ではありませんでした。もう一度、前記の文章を読み返してみたいと思います。

恐らく、口述試験での完全な答えは次のようなものと思われます。

「我が国では先願主義を採用しており、それ以外の第三者は特許発明の実施権原を有しません。しかし、それでは特許出願以前から独立して同一発明を完成させ、発明の実施をしている事業をしている者等に酷ですので、無償で実施し事業を継続させることにより、両者間の公平を図ろうとしたものです。」

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特許法127条の趣旨

口述試験-特許法・実用新案法で問われた「特許法127条の趣旨」ですが、青本の記載を以下に掲げます。おそらく、①と②がきちんと再現できるかが問われたのだと思います。口述試験ではずいぶんアバウトな再現をしてしまいましたが、試験官の方々はどう評価されたのか気になります。

もともと訂正審判の請求は、当該特許権に対して無効審判を請求してくることに対する防御策と考えれば、その特許権についての専用実施権者、通常実施権者または質権者にとって利益になることはあっても不利益になることはないのであるが、

①実際には特許権者が誤解にもとづいて不必要な訂正審判を請求することもあり、
②また瑕疵の部分のみを減縮すれば十分であるのにその範囲を超えて訂正することも考えられ、

そうなると前記の権利者は不測の損害を蒙ることもあるので、一応訂正審判を請求する場合にはこれらの利害関係ある者の承諾を得なければならないこととしたのである。
(工業所有権逐条解説 336頁より引用)

実は、この記載は全く覚えていませんでした。訂正の際には特許権者と通常実施権者が権利範囲をどう訂正するかについて鬩ぎ合う事となるだろうと思い、その場で考えて言ったものです。

このような権利範囲の鬩ぎあいは、特許出願の審査段階(中間処理)に措いて出願人と代理人(特許事務所)の間でも起こり得ます。出願人は可能な限り広く権利範囲を取りたいと思うのに対し、代理人たる特許事務所はややもすると権利範囲を限定して確実に権利化したいと思う為です。

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口述試験-商品の小分け

商品の小分けに関する判例を色々と調査してみました。事例シート1に対応する判決は色々と見つかるのですが、事例シート2に該当する判決はなかなか見つかりません。

◆オイルトリートメント事件 大阪地裁判決昭和51年8月4日(昭51(ヨ)2469)
原商標はSTPを楕円で囲ったもので、権原なき第三者が真正商品を小分けした缶に使用したことが侵害とされたもので、事例シート1の原案となった判決と思われます。
Oil_treatment

◆マグアンプK事件 大阪地方裁判所H06.02.24 4 (ワ) 11250号

判決文の主部を以下に掲げます。同様に事例シート1に対応する判決と思われます。

当該商品が真正なものであるか否かを問わず,また,小分け等によって当該商の品質に変化を来すおそれがあるか否かを問わず,商標権者が登録商標を付して 適法に拡布した商品を,その流通の過程で商標権者の許諾を得ずに小分けし小袋に詰め替え再包装し,これを登録商標と同一又は類似の商標を使用して再度流通 に置くことは,商標権者が適法に指定商品と結合された状態で転々流通に置いた登録商標を,その流通の中途で当該指定商品から故なく剥奪抹消することに他な らず,商標権者が登録商標を指定商品に独占的に使用する行為を妨げ,その商品標識としての機能を中途で抹殺するものであって,商品の品質と信用の維持向上 に努める商標権者の利益を害し,ひいては商品の品質と販売者の信用に関して公衆を欺瞞し,需用者の利益をも害する結果を招来するおそれがあるから,当該商 標権の侵害を構成するものといわなければならない。

◆ハイミー事件 最高裁判所 昭和46.7.20(昭44(あ)2117号)

正当な権限がないのに指定商品の包装に登録商標を付したものを販売する目的で処理する場合、その中身が商標権者自身の製品でしかも新品であったとしても侵害となるとされた判決です。同様に事例シート1に対応する判決と思われます。

◆バイアグラ錠商標権侵害差止等請求事件判決
東京地判平成14(2002)年3月26日
東京地方裁判所 平成12年(ワ)第13904号 商標権侵害差止等請求事件(甲事件)
平成12年(ワ)第20905号 商標権侵害差止等請求事件(乙事件)


バイアグラの並行輸入業者の錠剤詰替えが商標権侵害であるとされた判決です。同様に事例シート1に対応する判決と思われます。以下に判決要部を抜粋し、重要点に下線を引きました。

(1) 本件被告錠剤が,本件各商標権の指定商品である「薬剤」に該当することは当事者間に争いがない。
(2) 前記第2の1(5)の事実に前記1(2)認定の事実と証拠(甲113)と弁論の全趣旨を総合すると,本件ウェブページ,本件看板,本件案内書に被告標章を付し,本件案内書を交付する行為は,本件被告錠剤に関する広告に被告標章を付して展示し,又は頒布する行為,本件申込フォーム,本件依頼書,本件しおりに被告標章を付し,本件依頼書,本件しおりを交付する行為は,本件被告錠剤に関する取引書類に被告標章を付して展示し,又は頒布する行為,本件取扱商品に被告標章を付し,これを交付する行為は,本件被告錠剤に関する定価表に被告標章を付して頒布する行為に当たるものと認められる。 したがって,以上の行為は,業として商品(本件被告錠剤)を輸入販売する者である被告A又は被告会社(安井堂インターナショナル)がその商品について被告標章を使用したものということができる。
(3) 原告は,被告標章を記載した取引書類を用いて注文を受けた本件被告錠剤を輸入し,顧客に被告標章が表示された本件しおり等の書類を添付して販売する行為は,本件被告錠剤に被告標章を付したものを譲渡し,引き渡し,輸入する行為に当たると主張する。確かに,前記1(2)認定のとおり,顧客に本件被告錠剤が渡される際には,本件しおりが共に渡されているものと認められるが,それのみで,本件被告錠剤に被告標章が付されていると認めることはできないし,被告標章を記載した取引書類を用いて注文を受けた本件被告錠剤を輸入しているからといって,本件被告錠剤に被告標章が付されていると認めることはできない。また,その他,本件被告錠剤に被告標章が付されているというべき事実は認められない。
(4) 前記1認定の事実によると,安井堂インターナショナルがPTPパッケージに包装し直したもののみを扱うようになった後は,本件被告錠剤は,そのすべてがヨシダコーポレーションによってPTP包装に包装し直されたものであるから,本件被告錠剤の輸入販売行為は,真正商品の輸入販売として違法性が阻却されないものというべきである。
 また,安井堂インターナショナルがPTPパッケージに包装し直したもののみを扱うようになるより前の時期については,その商品の具体的な入手経路は証拠上明らかではなく,証拠(甲46ないし50の各1,2,甲51,72,甲96の1,2)によると,ファイザー・インク製でない「バイアグラ」と称する錠剤が,ファイザー・インクが販売しているのと同じボトルに入れられて販売されていたことがあったこと,被告会社は,ホームページで,バイアグラの偽物が広く出回っている旨の警告をしていること,以上の事実が認められることをも総合すると,いまだ,本件被告錠剤が,ファイザー・インク製の商品であったとまでは認められない。また,仮に,本件被告錠剤が,ファイザー・インク製の商品であったとしても,前記1認定のとおり包装し直されたものがあったうえ,それ以外のものについても,それがファイザー・インクが出荷してから顧客に渡されまでの間に変更が加えられていないことを認めるに足りる証拠はない。したがって,安井堂インターナショナルがPTPパッケージに包装し直したもののみを扱うようになるより前の時期についても,本件被告錠剤の輸入販売行為が,真正商品の輸入販売として違法性が阻却されるものとは認められない。

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口述試験-商標法の事例シート再現

事例シートを画像で再現してみました。

◆事例シート1:
真性商品のオイルを小分けにして缶に詰め、原商標と同一の商標を小分けの缶に付したものです。恐らく「オイルトリートメント」事件の判例の出題であると思われます。

(大阪地裁判決昭和51年8月4日(昭和51(ヨ)2469)

小分けした商品に商標を付する行為は侵害であるとの判決でした。

Jirei1_2

◆事例シート2:
真性商品のオイルを小分けにして缶に詰めて陳列し、原商標を付した看板と共に陳列棚に配置したものです。対応する判例は不明です。
Jirei2_2

この事例シートで商標として使われているマークは、産業財産権制度シンボルマークで、愛称は「ぱて丸くん」というそうです。今回の口述試験ではあちこちで用いられたと聞きます。

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口述試験再現・商標法

商標法の口述試験の再現です。総括質問は省略してあります。事例カードは2枚だけでした。

主査:商標法には侵害と見做し侵害がありますが、商標の侵害とはどういうものですか。
 -禁止権専用権の範囲を権原なき第三者が実施する行為です。
主査:禁止権専用権とは?
 -商標登録された商標を指定商品または役務について使用することです。(今更ですが質問と対応していない気がする)
主査:では、指定商品についての使用とはどういうことですか?
 -2条3項1号・2号・8号に掲げる行為です。
主査:具体的にいうと?
 -1号が商品に商標を付する行為です。2号が商標を付した商品を譲渡等する・・・・(譲渡のあとが出てこず)
主査:はい、いいですよ。次は?
 -8号は広告宣伝に用いる行為です。(主査・副査うなづく)
主査:では、商標を付された製品が適法に譲渡されたときには侵
   害となりますか?

 -いいえ、消尽しますので侵害とならないと思います。
主査:消尽の趣旨は。
 -二重利得の防止です。
主査:では事例カード1を開いてください。
(事例カード1:商標を付した大きな缶が左側に記載されている。そこから矢印が引かれ、その先におなじ商標を付された小さな缶が記載されている)
主査:権原なき第三者が商標権を付された真性商品を小分けして缶に入れ、おなじ商標を付して販売しています。この場合には侵害となりますか?
 -(オイルトリートメント事件だな)はい、侵害となります。品質保証機能が害されると考えられるからです。また、小分けした業者が実際の出所であるにも拘らず、元の商標が付されていることから出所表示機能も害されると判断します。
主査:では事例カード2を開いてください。
(事例カード2:商標を付した大きな缶が左側に記載され、そこから矢印が引かれ、その先に商標なき小さな缶が記載されている。その先に陳列棚に商標の看板と共に小さな缶が並べられている)
主査:この場合、侵害となりますか?
 -はい、商標の看板は2条3項8号の宣伝広告行為に該当します。よって、オイルの小分けにより品質が害されたり、需要者がこのオイルの出所を混同したりする恐れがある為更に明確に小分けすることを明示しない限り、侵害となると思われます。
主査:では、いっさいオイルの小分けはできない、と!
副査:このオイルにあなたが「和泉オイル」と付して販売した場合はどうですか?

 -はい、原商標を使わずに新たな商標を付すならば侵害とはならないと思います。
主査:原商標を付さないと需要者は何のオイルだか判らないでしょう。
 -もし、原商標を付したならば、需要者が質の誤認を引き起こすおそれがありますので、より明確に小分けについて需要者に通知することが必要と解します。
  (暫く、事例2の解釈論が続く)
主査:いや、この場合はね、侵害とならないとされているんだよ。よく勉強しておいてください。

判例についての知識が欠けていたのか、試験官の答えと逆の答え
を導出してしまいました。
11月6日の発表まで悶々とする日々が続きそうです。

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口述試験再現・意匠法

意匠法の口述試験の再現です。総括質問は省略してあります。

主査:法上の意匠の定義とはどういうものですか。
 -(2条1項だな)
 -はい、物品の形状、模様、色彩またはそれらの結合であって、視覚により美感を起こさせるものです。
主査:模様と色彩の間に何かありませんか?
 -失礼しました、「形状、模様若しくは色彩」でした。色彩は付加的な要素です。
主査:「視覚により」のところももう少し詳しく・・・
 -はい、「視覚を通じて美感を起こさせるもの」です。
主査:はい、完璧になりました。では物品とはどのようなものですか?
 -(「ゆてしとこ」だな。)定型性を持ち、視覚により認識でき、取引性を有し・・・
主査:(納得していない)ガスや電気は意匠法上の物品ですか?
 -いいえ、無体物ですから、つまり有体物であることが必要となります。
 -(・・・このあと助け舟とその答えが延々と続く・・・)
 -つまり「市場で取引される有体動産」です。
主査:はいそうですね。次は画像が意匠として保護される要件を述べてください。
 -(2条2項だな)物品の操作の用に供される画像であって物品またはそれと一体として用いられる物品の上に表示される画像であって、物品の操作とは、物品の機能を発揮させるために用いられるものである場合です。
主査:具体例を挙げてください。
 -例えばデジタル時計の設定画面などです。
主査:それと一体として用いられる物品の上に表示される例です。
 -例えばDVDプレイヤーの設定画面で、TV上に表示されるものです。
主査:3条1項柱書の工業上利用可能性とは何ですか。
 -工業的な手法で量産可能ということです。
主査:では工業上利用可能性を有さない例は。
 -天然物・著作物・不動産などです。
主査:自転車のサドルの部分意匠として出願するときは?
 -【意匠に係る物品】の欄に自転車として記載し、かつ自転車のサドルを実線・それ以外の全体を破線として図面に記載し、【意匠の説明】の欄に部分意匠の特定方法を記載します。
主査:自転車のサドルの部品の意匠として出願するときは?
 -【意匠に係る物品】の欄に自転車のサドルとし、自転車のサドルのみを図面に記載します。
主査:部品の意匠と部分意匠で効力に違いはありますか?
 -部品の意匠ではサドルの部品の実施に権利行使でき、かつ、自転車全体の実施に対しても権利行使できます。部分意匠では自転車全体の実施に対して権利行使できます。

最後はベルに追い立てられるように答えていました。果たして最後まで辿り着いたのでしょうか。条文集は一度も開きませんでした。

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口述試験再現・特許法

本日午後の口述試験を受けてきました。以下に可能な限り再現し
ます。なお、総括質問は省略してあります。


主査:有償の法定通常実施権には何がありますか?

 -許諾による通常実施権と・・・
 (「法定」の部分が聞こえてなかった)
主査:えっ? 法定通常実施権ですよ。
 -失礼しました、80条のいわゆる中用権です。あと、意匠権の存続期間満了後の通常実施権者です。(主査・副査うなづく)
主査:はい、では先使用権者が無償の通常実施権を有する理由は何故ですか?
 -はい、公平の観点からです。
主査:もっと具体的に仰ってください、何の公平ですか?
 -先使用権者は発明を実施しており、特許権者が発明を公開するのと同様に産業の発達に貢献しております。よって、公平の観点から先使用権者に実施権が認められるべきとおもいます。
主査:(怪訝な顔)それは産業の発達という観点ですが、特許権者と先使用権者という観点で何かありますか。
 -(国民経済説の方がよかったか・・・)
 -はい、特許出願時の既存の権利の尊重という点でも、先使用権者にも公平に実施権が認められるべきと思います。
 (主査・副査とも納得した様子)
主査:職務発明による通常実施権者が訂正審判の承諾権を有する理由は?
 -はい、職務発明による通常実施権者は、発明に対して多大な寄与をする為に、補正により権利範囲が変動することに対し多大なる影響を受ける為に、権利変動の承諾権を有すると判断いたします。
副査:しかし、訂正審判により、無効審判への対抗手段でしょう。だから、職務発明による通常実施権者も同様に利益が得られるのではないですか?
 -はい、しかし訂正審判における請求の範囲の減縮にて、過度の減縮により職務発明による通常実施権者の権利が害される恐れがあます。よって、そのようなことを防止するために127条の承諾権が付与されているのだと思います。

主査がこれで質問が終了である旨を言われ、その後ベルが鳴りました。法文集は一度も開きませんでした。

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口述試験で問われた部分

吉田ゼミのHPに、弁理士試験-口述試験の概要がアップロードされています。
初日午前 初日午後 2日目午前 2日目午後
この内容を、平成18年度の法改正本と照合して、まだ出題されていない項目をピックアップしてみました。直近の法改正部分は深く細かい部分まで問われているので要チェックです。

意匠法
・意匠権の存続期間の延長(21条)・・・未出題
・画面デザインの保護拡充(2条2項)・・・未出題

・意匠法3条の2・・・2日目午前
・意匠の類似の範囲の明確化(24条2項)・・・1日目午後?
・関連意匠制度の見直し(10条)・・・未出題
・新規性喪失の例外の適用の手続きの見直し(4条)・・・1日目午前
・秘密意匠制度の見直し(14条)・・・未出題

特許法
・技術的特徴の異なる別発明への補正の禁止(17条の2第4項)・・・未出題
・分割制度の濫用防止(50条の2等)・・・1日目午後
・分割の時期的制限の緩和(44条1項2号・3号)・・・1日目午後
・外国語書面出願の翻訳文提出期間の延長(36条の2)・・・未出題

商標法
・小売等役務の役務商標としての保護(2条2項)・・・1日目午後?
・団体商標の主体の見直し(7条)・・・未出題

共通

・産業財産権の効力拡大(『輸出』の定義規定への追加)・・・・未出題
・侵害と見なす行為の見直し(譲渡目的所持)・・・2日目午前
・産業財産権侵害の罰則の見直し・・・2日目午前

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VOCALOIDの価値

世界初ツンデレボイスナビゲーション機能付のワンセグTV「SEGNITY」、このツンデレボイスに釘宮理恵が声を充てているとの話があります。

この製品の検証ビデオが以下にアップされています、

確かに釘宮ボイスで間違いないようですし、あたかもTVが感情を持ったかのように振舞うのは面白く感じますが、固定メッセージなので、買った当初は面白いと思っても、しばらく経つと飽きるんじゃないかとも思います。







この「ツンデレナビゲーションシステム」は特許出願中だそうですが、まだ未公開なのか公開公報を見ることはできませんでした。

いろいろな装置を作っていると、装置に喋らせたい場合は結構あります。例えば何らかの致命的なエラーが発生したときなどです。このときに音声でその旨が通知できたならば、よりユーザ・フレンドリーなインターフェースとなるのではないかと思います。

むかし、そういうメッセージを音声で出すときには、メロディICで「葬送行進曲」を流すのが定番だったのですけどね。葬送行進曲だけでは状況の詳しい説明ができないですから、合成音声で通知ができればと思っていました。
その音声も、いわゆる「機械音声」っぽいのだとユーザーに無茶苦茶嫌がられれるのですよね。「機械に使われているようで厭だ」とか「感覚的に耳から拒絶する」とかいう意見を聞きました。でも、VOCALOID は違います。知らずに聞いている人には、普通の人間の音声に聞こえ、拒否感は殆ど無いのではないかと思います。

現在の装置は、固定音声を予め録音することによって自然な人間の音声の通知を実現しています。しかし音声データをROMに焼きこんでいるため、SEGNITY のように予め想定したパターンの音声を通知することしかできませんし、そのパターンが膨大に多い場合には実装が極めて困難になります。

よって、状況に対応したメッセージを音声通知するツールとして、「VOCALOID」が活用できればと思うのです。もし VOCALOID がASIC化されて機器に組み込まれ、入力されたメッセージ文字列からリアルタイムに音声出力できるようになれば、装置のあらゆる使用状況において適切な音声通知ができると思います。具体的には、機器のエラーメッセージやガイダンスを音声で通知するなどです。他には、PCアプリケーションの製作者が、エラーメッセージやガイダンスを初音ミクに喋らせることも考えられます。

また、他のブログで、歌詞とメロディをサーバーに入力すると サーバーからMP3 の歌声データが出力されるという "VOCALOID-WEB-API" の概念が記載されていました。このような API が実装されたならば、WEB表現が更に多様化することになるのではないかとおもいます。具体的には、WEBページを音声で読み上げることが極めて簡単にできるようになりますので、自動車の運転中や、通勤電車の中などのように音声のみで情報収集しなければならない場面で、新聞や雑誌のWEBを音声で通知することにより時間が有効に活用できると思います。

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鬼門は商標法#3

商標法は他の法域と比べて、記憶すべき条文や、記憶すべき審査基準の項目が多いだけに大変です。これは論文を書いていた頃にも感じていました。具体例は以下に記載します。

商標法
(1)4条1項各号の主要な条文
 1号から19号までありますが、重要度を勘案して6号、8号、10号、11号、15号、16号、19号に限定して記憶します。

(2)3条2項の周知性の立証について(審査基準より)
 ①使用している商標及び商品または役務 ②使用地域、使用期間、使用開始時期 ③生産、証明または譲渡の数量または営業の規模 ④広告宣伝の回数、方法、内容 ⑤需要者の商標の認識度へのアンケート、によって周知性を有することを立証すると記憶しています。

(3)4条1項11号の商品の類似、役務の類似、商品と役務間の類似の類型について(審査基準より)
 商品の類似は、①需要者の範囲の一致 ②製造部門の一致 ③販売部門の一致 ④商品の原材料又は目的の一致、④商品の用途の一致 をもとに判断します。
 役務の類似は、①需要者の範囲の一致、③同一事業者が提供するものであるか、③役務の用途の一致 ④その役務を規制する法律の一致 ⑤業種の一致 ⑥提供に関連する物品の一致 をもとに判断します。
 商品と役務間の類似は、①需要者の範囲の一致、②商品の製造者と役務の提供者の一致 ③役務の提供場所と商品の販売場所の一致 ④商品と役務の用途が一致するかを元に判断します。

もう、間近に迫ってきて勉強も収束させなければならないので、新たな項目を覚えるのは今日までとし、明日からは既に読んだ内容について条文、審査基準、青本、及び改正本のみを確認しながら静かに過します。
直前に見た過去問に引きずられて、題意把握をミスしないための措置です。

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DTMマガジン11月号

DTMマガジン11月号がすごいことになっていますね。いま現在のマーケットプレイスのロープライスが\4,545ですね。これって、定価\1,500の雑誌なのですけど、3倍のプレミア付きで中古が販売されています。

「この商品を買った人はこんな商品も買っています」の欄を見ると、初音ミクの需要者層がよくわかります。初音ミクは当然としても、アイドルマスターとPerfume・・・(笑)、Perfume だったら自分もちょっと欲しいので、口述試験が終わってからレコード店に行くかな。

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鬼門は商標法#2

弁理士クラブの口述練習会のとき配られたプリントを眺めていて、マドプロの部分がすっかり頭から抜けていることに気づき、ぞっとしました。
国際特許出願(PCT)や国際登録出願(マドプロ)は記憶していれば100%OKなのですが、記憶が抜け落ちていると悲惨な点数となるのは共通しています。いまからマドプロのインプットを再開します。

「では、商標法の試験を始めます。マドリッド協定議定書についてお聞きします。」などと言われて頭が真っ白とならないようにしなければと思います。
代々木塾の口述再現集には、過去の受験生の似たような経緯がリアルに記載されております。

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初音ミクは連結式音声合成?!

これが、今年8月にベルギー・アントワープで開催された Interspeech2007 で発表されたVOCALOIDに関する最新の論文です。

Hideki Kenmochi, Hayato Ohshita [Center for Advanced Sound Technologies, Yamaha Corporation, Japan],
"VOCALOID – Commercial singing synthesizer based on sample concatenation"


斜め読みしてみましたが、VOCALOIDはフォルマント音声合成ではなく、連結式音声合成ですね。2002年当時の公開特許公報でフォルマントの語が頻出だったので、てっきりフォルマント音声合成だとばかり思い込んでおりました。

The Synthesis Engine receives score information, selects necessary samples from Singer Library and concatenates them. (4, Synthesis Engine)

シンセシス・エンジンはスコア情報を受領し、歌手ライブラリから必要とするサンプル音声を取得し、それらを結合する。(第4章、シンセシス・エンジンより、参考訳)

以下に、システムの概念図を引用します。歌詞(Lyrics)と音色(Note)を入力し、歌手ライブラリを元に歌声(Synthesis Output) を出力するというものです。

Vocaloid_kenmochi_ohshita

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深夜は口述の勉強時間

口述練習ができるのは、すべて家族が寝てしまった深夜に限定されます。
昼間は、せいぜい口述再現集や口述要点整理集を読む程度しかできませんし、読んだだけではあまり定着しないようなのです。
読んだだけの内容は、なかなか口頭で再現できず時間が掛かりますが。口頭で音読した内容ならばすぐさま口頭で再現できます。
この現象は論文式筆記試験のときにも感じました。自分が過去に書いた文章ならばすぐさま論文で再現できるのですが、読んだだけの内容を論文で再現するのはかなり困難で時間が掛かるのです。恐らく、人間の頭脳の仕組みと何か関係しているのではないかと思います。
また、「書く」というのも、PCとキーボードで書いたのでは駄目で、実際にボールペンや万年筆で記載する必要がありました。

口述練習が最初の頃は、早く喋ろうと焦りすぎてうまく言えなかったりで大変でした。また、長い間喋るのも苦手でした。そのころ喋った内容を再生すると、息継ぎが苦しそうでした。
最近はだいぶん慣れて息継ぎも楽になりました。でも、練習できる最大時間は1回あたり3時間程度です。それを超えると声が出なくなります。

まだ、四法の知識の穴が完全には塞がってはいないので、あと1週間のうちに完全に全ての項目をこなすようにしたいと思います。

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口述練習会の反省点#2

PA会で出題された「職務意匠」の例題は、平成18年度に出題された過去問そのものだったのですね。GSNの口述要点整理集及び代々木塾の口述再現集を見て気付きました。

反省点その1は、過去問を潰しきれていなかったことです。対策として、GSNの口述要点整理集を全て音読して録音する事としました。録音したMP3ファイルはかれこれ 400MBytes 近くになりました。商標法は完了し、特許法は1項目、意匠法は10項目を残すばかりです。

反省点その2は、いったん学習した過去問と違うパターンを出されたときにスムースに受け答えができないことです。対策として、条文を可能な限り音読して録音する事と致したくおもいます。いまは主要な条文番号のみに限定して音読していますが、対象を更に拡張いたしたくおもいます。

以下に、1条の法目的が再現できているかチェックのために、条文集を見ずに以下記載します。

特許法第一条
この法律は、発明の保護と利用を図り、もって発明を奨励し、産業の発達に寄与することを目的とする。

実用新案法第一条
この法律は、物品の形状または構造またはその組合せに係る考案の保護と利用を図り、もって考案を奨励し、産業の発達に寄与することを目的とする。

意匠法第一条
この法律は、意匠の保護と利用を図り、もって意匠の創作を奨励し、産業の発達に寄与することを目的とする。

商標法第一条
この法律は、商標の保護により、商標を使用する者の信用の維持を図り、もって産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。

なんだか、「もって」の場所が違うような気がしますが、昼食を作ってから自己チェックします。

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口述練習会の反省点

◆弁理士クラブ
意匠法:利用抵触(26条)及び3条の2の関連が聞かれました。一度も条文集を開かずにすらすらと答えられた。ここは論文本試験にも出題されたところですし、8月末にもう一度纏めなおしたことも功を奏しているようです。この調子で本試験も行ければ・・・。

商標法:立体商標が問われました。「立体的形状に文字を付加したものは商標登録を受けられるか」という問いに対して、条件反射で「3条1項3号で拒絶⇒3条2項の要件を満たせば登録⇒しかし4条1項18号で拒絶」の流れで答えてしまい、「必須の立体的形状じゃあありませんよ」と諭され、あわてて「3条の要件を満たす場合、次に4条の要件を満たすかが問題である」と言い直しました。過去問に囚われすぎたのが反省点です。

特許法:実用新案登録に基づく特許出願が問われました。この要件はほぼ覚えていたのですが、どうしても「実用新案登録出願に基づく・・・・、いえ、実用新案登録に基づく特許出願」といい間違えてしまいます。あと、「実用新案登録に基づく特許出願ができない場合」について、もっとも最初であるところの「実用新案登録出願の日から3年が経過したのち」を言い忘れ、条文集を見る破目になりました。まだ特許法には知識の穴があるようです。

◆PA会
意匠法:思いもよらず職務意匠の話でした。予約承継という言葉が出てこないとか、予約承継できない要件がすらすらいえないなど、かなりまずい状況でした。途中で条文集を確認して正しい答えに戻れたのですが、本試験でこれをやってしまうとまずいですね。

特許法:明細書等の補正を問われました。特許法の補正は問題なさそうですが、実用新案法の補正はまだ不充分です。条文集を見ずとも答えられるレベルを目指します。

商標法:巨峰事件そっくりの事例問題を元に、「否認」、「抗弁」及び「立証責任」などに触れられたかなり高度な質問でした。反省点は、真正商品の並行輸入の3要件がうまく再現できなかったことです。すぐに再度のインプットをおこないます。試験官の先生に「キーワードは拾えているので、まあいいですよ」とは言っていただいたのですが、厳しい先生だとCがつくのではないかと懸念します。

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VOCALOID CVシリーズ02

ここのブログ に、VOCALOID CVシリーズ02に関する予測が記載されており、リンクを辿ると声優の下田麻美さんのブログに辿り付きます。

クリプトン(株)の「まぜてよ☆生ボイス」のミニちらしの写真や、「とある音声収録」などという意味深な記載がありますね。これは、下田麻美さんがCVシリーズ02という事なのでしょうか。

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VOCALOID関連論文#2

Unisong: A Choir Singing Synthesizer
2006年10月に発表された論文で、著者は劔持秀紀さん、ジョルディボナダさん、Blaauw, Merlijnさん、Loscos, Alexさんの4名です
論文概要をざっと翻訳したものを以下記載します。多少怪しい翻訳ですがご容赦ください。

 コンピュータは合唱するように歌声を発生することを以下2つの方法で達成することができます: ただ一つの声のクローンによる変化か、又は本当のコーラス録音の連結です。現在において、これらの2つの方法の統合品質はそれぞれ自然さと明瞭さに欠けています。
 ユニソングは、スコアと歌詞によって高品質の合成音声の性能を得られるユーザ指定のコーラス歌声シンセサイザです。 この記事は、仮想の統合世代の途中に行われるコーラス録音スクリプトの人間の監督された自動分割、サンプルデータベースの創造、サンプル取得、変化、および連結を実現する全ての動作とテクニックについて説明します。シンセサイザは歌のサンプルでデモンストレーションをするでしょう。

VOCALOIDの次に劔持秀紀さん、ジョルディボナダさんが論文発表したのはコーラス音を自然に合成するという UNISONG です。UNISONG はどこまで製品開発が進んでいるのか楽しみであります。

次は説明ppt ファイルで、VOCALOID という題で、劔持秀紀さんと大下隼人さんの共著です。10月11日の情報処理学会の発表は、このパワーポイントファイルがベースとなるのではないかと推測しています。
このスライド17頁目に Miku (初音ミク)がいます。
このパワーポイント・ファイルは極めて判り易く、VOCALOIDファン必見です。
Yamaha_ppt

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特許法のうち、「利用」の文言を有する条文

昨日の春秋会での出題である、「特許法のうち『利用』の文言を有する条文を挙げてください」、について調べてみました。

最初に自分が気づいたのは72条です。

第七十二条  特許権者、専用実施権者又は通常実施権者は、その特許発明がその特許出願の日前の出願に係る他人の特許発明、登録実用新案若しくは登録意匠若しくはこれ に類似する意匠を利用するものであるとき、又はその特許権がその特許出願の日前の出願に係る他人の意匠権若しくは商標権と抵触するときは、業としてその特 許発明の実施をすることができない。

次に気づいたのは29条1項柱書ですが、これは試験官の先生が意図されていたものではありませんでした。余談ですが、3号にも「利用」の文言がありました。これは口述模擬試験のときには気づきませんでした。

(特許の要件)
第二十九条  産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。
(中略)
 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明
次に自分が気づいたのは2条1項ですが、これも試験官の先生の意図したものではありませんでした。

第二条  この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。

試験官の先生が意図されていたのは、法目的たる1条でした。

第一条  この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。

つまり、四法の法目的については口述で条文そのまま問われるだろうから、必ずそらで言えるまで記憶せよという出題意図と把握しました。

余談ですが、17条の2第5項2号にも「利用」の文言が使われています。

(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)
第十七条の二
5 二
 特許請求の範囲の減縮(第三十六条第五項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項 に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)

以上は、法令データ提供システム を用いて調査したものです。

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春秋会の口述模擬試験

ホテル・イースト21にて、春秋会の開催する口述模擬試験に参加してきました。
東陽町駅からホテル・イースト21に行く道はまっすぐで判りやすかったです。イースト21とは、ホテルを含めたショッピングセンターの呼称なのですね。色々なレストランがありました、おそらく本試験当日は昼食をここで摂ることになると思います。
受付をすませて「永代の間」に通されると、流石に妙に緊張してきました。本試験と同じ会場であるという威圧感のようなものを感じます。

時間になると6人がアナウンスで呼ばれてエレベータで試験会場に行き、AレーンからFレーンまでに割り振られて試験を受けることになります。係員の方の説明では、当日は部屋の備品は全て搬出されるそうです。

時間になると小さな部屋の前の椅子に座って待ちますが、自分が属するレーンだけ妙に順番が遅いのです。予定時間を8分過ぎて、係員がチャイムを鳴らしてもなかなか出てきません。中から試験委員の怒鳴り声が洩れ聞こえます。「挨拶をちゃんと・・・」「条文が全く・・・」「今からでもちゃんと・・・」
係員の方が苦笑して、「熱心な先生なので」と言っていました。

予定時間を10分過ぎて、やっと自分の順番です。中に入って挨拶して着席し、今回の論文式筆記試験の出来について軽く触れたのち本論に入ります。でも、この試験官の方は直前の受験生によほど立腹されたのか、まだ顔が怒っています。

試験官:「特許法で『利用』という文言が出てくる条文を全て挙げてください。」
自分  :「はい、72条です。」(そうか、利用抵触関係の質問だな)
試験官:「他には?」
自分  :「はい、・・・29条1項柱書です。産業上の『利用』可能性について記載されています。」
試験官:「他には?」
自分  :「条文集を見てよろしいでしょうか。・・・・2条1項です。」
試験官:「他には?」

はっきり言って、難問というよりは奇問でした。特許法の成績はB’で、BとCとの間だということです。

意匠法は、部分意匠に関する問題です。過去問パターンそのままだったので簡単でしたが、点数はBでした。最初のあたりで部分意匠の定義を条文に則していうことができていないのが問題のようです。

商標法は地域団体商標の問題でした。まず定義趣旨が聞かれたので改正本の趣旨を完璧に言えたのが良かったのか、Aをいただきました。

この模擬試験を振り返っての反省点は条文をきちんと再現できなかったことです、すぐさま対処をおこないたくインプットに励んでいます。

今後のインプットの目標は、「どんな難問・奇問を出されても、どんなに試験官の機嫌が悪くてもCをとらない」こと」としたく思います。ここまで来たからには是非とも最終合格したいですし、その意味で、今回の特許法ではCを回避できたのは良かったと思います。また、条文に則して正確に言うことが出来れば更に点数はUPしたのではないかと思います。

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VOCALOID@DCAjニュース

2003年6月度DCAjセミナー「最先端「音楽ツール」の紹介」で、剣持秀紀氏がVOCALOIDの紹介セミナーの講師を努めておられます。やはり剣持氏は VOCALOID 開発リーダーなのでしょうね。

このときの様子は、DCAjニュースの26ページに掲載されており、要点を一部引用します。

『VOCALOID』は、OS「Windows 2000」および「同XP」上で動作する(CPU: Pentium III、1GHz以上、RAM:512MB以上を推奨)。MacOSについても対応を予定している。

という訳で、ヤマハにユーザーからの熱い要望が届けば、MacOS や Windows2000 での VOCALOID も実現されるかもしれません。(笑)

2006年3月には、デンソー・ブリヂストン・ヤマハ現場が欲しがる人材/Tech総研 で、剣持氏が VOCALOID開発者としてインタビューを受けています。このインタビューによると意外と現在の開発者は少ないのですね。2002年の VOCALOID 開発時に限定してエンジニアを集結したのでしょうか。

現在のこの開発メンバーは2人で行っています。海外の共同研究機関や、ソフトウェアのチェックする人などの関係者を含めても7~8人くらいですね。

情報処理学会 によると、来週の10月11日午後に、ヤマハ本社来客会館にて、剣持氏による VOCALOID の発表があるそうです。「今をときめく VOCALOID」ということで、普段を見られない一般の取材の方が詰め掛けそうですね。

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鬼門は商標法と平成18年改正部分

これまで延べ3回の口述練習を受けた結果は以下のものです。

第1回目 BAC
第2回目 AAA
第3回目 ABC

意匠法と特許法はまあまあです。ところどころ文言の記憶が怪しいところがあるのを修正すれば可とおもいます。

問題は商標法です。3回中2回もCを取ってしまったということは大問題です。特に商標法は論文式筆記試験の出来が悪かったため、試験委員としてもこの科目では突っ込んで実力を確認しようと、手薬煉を引いて待っているのではとおもいます。
よって、商標法でつまづいた点を以下列挙し、再度のインプットを図ることで対処いたします。

①役務商標を条文に則して言う事・・・括弧書きの「前号に掲げるものを除く」の要件が抜けていました。
②小売等の役務商標を条文に則して言う事・・・正確性に欠けました。理由は睡眠不足による体調不良で、完全に集中力を欠いていましたが、ほぼ同等の条件であった意匠法では余り問題なかったことを勘案すると、やはり知識インプットも欠けていたのだろうとおもいます。
③小売等の役務とはどのようなものかを言う事・・・改正本の内容を思い出すのに、やや時間が掛かりました。改正本に措ける定義は「顧客が来店して立ち去るまでに小売又は卸売りに伴って提供される総合的なサービス活動であり、最終的に商品の販売により収益を上げるもの」です。

あとは、睡眠不足は勉強以前の問題であり、ここでつまづいては駄目ですね。このところ変な時間に目が覚めてしまうのが原因なので、何か対処方法を考えます。

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VOCALOID関連論文

ジョルディボナダさんが執筆されたVOCALOID関連論文を発見しましたので、特に重要とおもわれる初期の論文を2編ほどご紹介します。

Bonada, J. Loscos, A. Cano, P. Serra, X. 2001.
'Spectral Approach to the Modeling of the Singing Voice'
(歌声のモデルへの周波数からの観点)
Proceedings of 111th AES Convention; New York, USA

これが最も基礎となるVOCALOID関連論文です。
共同執筆者 Serra,X は、VOCALOID 関連特許を多く発明されているザビエルセラさんと思われます。
ヤマハアドバンストシステム開発センターの劔持秀紀さんが共著者として記載されています。

図10にシステム概念図が示されています。歌詞(Lyrics)と音階(Melody)と表現(Expression) を入力し、歌手データベースを元にして歌手シンセサイザが歌声を合成するというもので、VOCALOIDの概念が明確に記載されています。

Jordibonata_2001

 

Bonada, J. Celma, O. Loscos, A. Ortolà, J. Serra, X. 2001.
'Singing Voice Synthesis Combining Excitation plus Resonance and Sinusoidal plus Residual Models'
(歌声に統合する励振共鳴と正弦波様、及び残差モデリング)
Proceedings of International Computer Music Conference 2001; Havana, Cuba

ヤマハアドバンストシステム開発センターの劔持秀紀さん、久湊裕司さん、吉岡靖男さん、Hiraku Kayamaさんが共著者として記載されています。

システム構成図は基本的に VOCALOID2 初音ミクと同一です。

Jordibonata_2001a

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「ヤマハの技術は世界一よ~♪」#2

フォルマント音声合成の米国登録特許について調べて見ました。
まずは、出願人毎のグラフを以下に示します。ヤマハの登録特許が群を抜いて多いことがわかります。
Formant_usp
ヤマハは、日本及び米国でフォルマント音声合成に関する最多の特許ポートフォリオを有しており、「ヤマハの技術は世界一」であることが数字で裏付けられました。

ところで、果たしてヤマハ(株)自身は、VOCALOID の価値について本当に気づいているんでしょうかね? VOCALOID 開発により少なくとも数千億円規模の市場を掘り当てたと思うのですが、その価値をきちんと把握して的確なマーケッティングを行ったのが、開発元のヤマハ(株)ではなく、販売先であるクリプトン(株)だったというのが何とも皮肉なものです。

VOCALOID の価値は「汎用テキストを感情を込めた音声に自動変換できる」点にあります。単に音楽関係のツールという位置付けは、VOCALOID の価値を矮小化するものでしょう。

おまけに、初音ミクのオリジナル曲として最も有名と思われる「みくみくにしてあげる♪」及び「あなたの歌姫」を貼っておきます。既に自分のiPod のプレイリストに「初音ミク」を作成し、この曲を転送済みです。

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