« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »

過去の弁理士試験試験統計#3

過去の弁理士試験統計から、受験生の推移を推定しました。弁理士統計は凡そ5回毎の受験者数しか数値化されておらず、各年度の受験者がどのように推移するかが不明なため、それを補完するためにシミュレーションしたものです。
各年度の受験回数0回の受験生数と全体に占める割合は以下の通りです。

平成19年度・・・2709人 (27.5%)
平成18年度・・・3018人 (30.0%)
平成17年度・・・3215人 (30.6%)
平成16年度・・・3288人 (34.1%)
平成15年度・・・2937人 (34.3%)
平成14年度・・・2152人 (29.9%)
平成13年度・・・2107人 (35.3%)

平成12年度以前は、受験回数0回の受験者数統計がありませんが、H14年度の割合と同一と仮定すると、以下のようになります。

平成12年度・・・1659人
平成11年度・・・1500人
平成11年度・・・1395人

(1)一旦受験し始めたならば、受験から撤退するまでは続けて受験すると仮定します。
実際には女性の受験生は子育て等で受験を中断する場合がありますが、数的には多くは無い為、「連続して受験する」仮定により近似計算することは許されると思われます。

(2)現在の試験制度のもとでは、受験生は以下に分かれます。
①短答落ち・論文落ち
②口述落ち
③合格者
このうち、①②の者は翌年度の試験を受験せず、撤退する場合があります。これを④撤退者と呼びます。

これら(1)(2)の条件をもとに年度毎の受験者の撤退数・合格数をシミュレーションし、弁理士統計の年度毎の実数を推定しました。

撤退者は以下の計算式とすると、弁理士試験統計と良く一致します。

 撤退者数=前年度受験者数*(0.17+前年度受験者数*0.002817)
 受験者数=前年度受験者数 - 撤退者数 - 合格者数

これを元に、各年度に措ける受験者数の推移をシミュレーションしてみます。

・平成15年度シミュレーション

 ・平成14年度からの受験者 1631人
 ・平成13年度からの受験者 1103人
 ・平成12年度からの受験者 695人
 ・平成11年度からの受験者 513人
 ・平成10年度からの受験者 389人

 小計 4330人に対し、受験者統計の受験回数1回から5回の者の実数は 4492人である。

・平成16年度シミュレーション

 ・平成15年度からの受験者 2171人
 ・平成14年度からの受験者 1146人
 ・平成13年度からの受験者 781人
 ・平成12年度からの受験者 500人
 ・平成11年度からの受験者 372人

 小計 4969人に対し、受験者統計の受験回数1回から5回の者の実数は 5191人である。

・平成17年度シミュレーション

 ・平成16年度からの受験者 2386人
 ・平成15年度からの受験者 1472人
 ・平成14年度からの受験者 810人
 ・平成13年度からの受験者 560人
 ・平成12年度からの受験者 363人

 小計 5591人に対し、受験者統計の受験回数1回から5回の者の実数は 5664人である。

・平成18年度シミュレーション

 ・平成17年度からの受験者 2311人
 ・平成16年度からの受験者 1599人
 ・平成15年度からの受験者 1025人
 ・平成14年度からの受験者 579人
 ・平成13年度からの受験者 404人

 小計 5918人に対し、受験者統計の受験回数1回から5回の者の実数は 5866人である。

・平成19年度シミュレーション

 ・平成18年度からの受験者 2188人
 ・平成17年度からの受験者 1576人
 ・平成16年度からの受験者 1122人
 ・平成15年度からの受験者 736人
 ・平成14年度からの受験者 423人

 小計 6045人に対し、受験者統計の受験回数1回から5回の者の実数は 5901人である。

平成14年度に初受験された方を母集団として年度毎の撤退者・合格者をシミュレーションした結果を以下に示します。

H14_tettai_goukaku

| | コメント (0) | トラックバック (0)

過去の弁理士試験試験統計#2

短答合格回数を元に、合格率のグラフを作成しました。
H14_tanntou_goukakusu

H15_tanntou_goukakusu_2

H16_tanntou_goukakusu
H17_tanntou_goukakusu
H18_tanntou_goukakusu
短答合格回数が6回以上10回以下のとき、原則として短答合格率が高いことがわかります。平成15年以降、ずっと80%以上という高い合格率を示しています。その割には論文式筆記試験の合格率が悪く、平成18年度に措いては10%を切っています。この能力のアンバランスさが、受験を長期化させる原因ではないかと思います。

短答合格回数が1回以上5回以下のとき、最も論文式筆記試験の合格率が高いことが判ります。各年度で受験を開始した受験生のうち、優秀でかつ短答・論文のバランスが取れたものは5年以内に最終合格し、短答のみに秀でた「ベテラン受験生」が6年以上掛かって合格している様が見て取れます。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

過去の弁理士試験試験統計

特許庁の過去の弁理士試験統計をもとに、各試験の合格率を算出してみました。
ソースはこちらです。

平成14年度弁理士試験統計 
平成15年度弁理士試験統計
平成16年度弁理士試験統計
平成17年度弁理士試験統計
平成18年度弁理士試験統計
平成19年度弁理士試験統計

短答合格率は、短答合格者数を短答受験者数で割ったものです。
論文合格率は、論文合格者数を論文受験者数で割ったものです。
口述合格率は、口述合格者数を口述受験者数で割ったものです。

H13_benrisi_siken_goukakuritu

平成13年度は旧弁理士試験制度の最後の年です。論文科目として特許と実用新案が独立して試験問題が出題され、かつ条約も出題されていました。

受験回数5回以上の方については、「短答合格率は高いが、論文合格率が低く、よって最終合格しにくい。」という傾向が見られます。最終合格まで年月が掛かる場合は、短答式筆記試験ではなく、論文式筆記試験が要因だと思われます。

特に、受験回数16回以上の方の論文合格率が悪く、わずか3%しか合格していません。

H14_benrisi_siken_goukakuritu

平成14年度は新試験制度の最初の年にあたります。
受験回数6回以上のベテランの方々の短答合格率が10%アップしました。試験制度改革により容易化したことが、ベテランの方々に有利に働いたためと思われます。

H15_benrisi_siken_goukakuritu

平成15年度は、短答式筆記試験が極めて難化した年で、ボーダーラインは36点でした。短答合格率のグラフにおいて、受験回数5回以下の方と、6回以上の方ではっきりと違いがみられます。受験回数5回以下の方は前年の短答合格率を下回るにも係らず、受験回数6回以上の方は前年の短答合格率を上回っています。

この年は初受験者(受験回数0回)の方には厳しかったのか、短答合格率はわずか8.4%に過ぎません。

H16_benrisi_siken_goukakuritu


平成16年度の短答式筆記試験のボーダーラインは39点でした。この年から、短答式筆記試験のグラフは受験回数により単調増加するようになります。
推測ですが、新試験制度のもとで短答式筆記試験の問題を持ち帰ることが許されるようになった為、受験生が過去問を容易に把握できるようになったことによるものと思われます。
相変わらず、受験回数0回(初受験者)の合格率は低く、わずか8.0%です。
H17_benrisi_siken_goukakuritu

平成17年度

短答式筆記試験:
ボーダーラインは41点で最も高く、合格者も多かった年です。

論文式筆記試験:
受験回数11回から15回の方の合格率が、この5年間で最も高くなっています。ベテランにとって容易な問題だったのだと推測しています。

口述試験:
落ちない試験と言われていた口述試験で一割近くの受験者が落とされるようになりました。受験回数が少ないほど口述試験の合格率が悪いという傾向が見られます。

H18_benrisi_siken_goukakuritu

平成18年度
短答式筆記試験:
ボーダーラインは37点でした。受験回数0回の方(自分を含む)の合格率はわずか11.6%です。これだけ厳しいと数字で理解していたら、もう少し力を割いておけたのにとちょっと残念です。受験回数16回以上の方の合格率は70.5%以上であり、ますますベテランに有利な試験となっています。

論文式筆記試験:
受験回数11回以上の方の合格率が極めて悪く、わずか5.0%しか合格していません。新試験制度後では最もベテラン受験生に厳しい年でした。さまざまな捉え方ができる問題だったのですが、豊富な知識をもつベテランの方よりも、寧ろ基礎的事項を確実に覚えた方に有利だったのではないかと思います。

口述試験:
受験回数10回以下の方は、10%以上が落とされるようになりました。受験回数11回以上の方が全て合格している理由は不明です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

知財検定の合格発表

今日は知財検定の合格発表日でした。何人かの知り合いが2級に合格したという連絡が来ました。
試験を主催しているのは、知的財産教育協会 です。
来年度から国家資格になることが内定しているそうです。管掌官庁は経済産業省ではなく、厚生労働省です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

知財に関心持つ技術者に追い風,「知的財産検定」が国家試験へ

知的財産立国へGO!あの「知的財産検定」が国家検定になる?!

自分が知財検定を受けたときは約3年前で、思えば弁理士試験にチャレンジするかどうかを決めあぐねていたときの「腕試し」でした。高林龍先生の「標準特許法」にマーカーを引きながら勉強していたのを覚えています。いまにして思えば、この本は初心者に判りやすく、かつ極めて深い論点までカバーした「良書」だと思いますので、以下に Amazon のリンクを貼っておきます。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

万年筆

万年筆が一本無くなってしまいました。セーラー万年筆のハイエースです。
メインで使っている奴じゃなかったし、安物なので金銭的なダメージは無いのですが、いままでの受験で1年ちかく使ってきたものなので、ちょっと残念におもいます。
会社帰りに自転車の前籠にバッグを入れるとき、バッグの口が空いたままになっており、妙な感触がしたのを覚えています。そのときに落したのでしょう。
セーラーのハイエースは、論文解答用紙との相性が悪くて、すぐに引っ掛かって紙の繊維が詰まるというデリケートなペンでした。しょっちゅうティッシュでペン先を拭きながら使わねばならず、かつ微妙にカリカリと紙に引っ掛かる感触が厄介でした。でも、インクの質は良く、かつ極めて細かい字が書ける点が良かったです。
現在メインで使っているパイロット万年筆のカスタム74は、引っ掛かりなくすべらかに書けて、インク詰まりが殆どない点では良いのですが、やや字が太いので細かい字には向きません。あくまで論文を書くのが目的であり、ノートを取るのには不向きです。よって、今回無くした万年筆の代わりに、極細字のスペアの万年筆を1本購入しようと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

平成19年度弁理士試験の試験会場

平成19年度弁理士試験の口述試験会場が発表されましたね。
ホテルイースト21東京 〔東京都江東区東陽六丁目3番3号〕です。
最寄駅は地下鉄東西線・東陽町駅となります。なんとか論文に合格して口述試験を受ける権利を取得したいものです。

| | コメント (3) | トラックバック (1)

« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »