« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »

基礎ゼミの採点基準の分析

この長い夏は、自分は基礎ゼミ@吉田ゼミにて一行問題を解いて過ごす予定です。
現在も「そこそこの点数」は取れていますが、いまいち「抜きん出た点数」を取るまでに至っていません。そこで、基礎ゼミに措ける採点基準を分析してみました。採点基準に合致した論文を記載することにより、抜きん出た点数を取るのが目的です。

吉田ゼミでは、自分の論文が返却されるほか、最も優秀な論文のコピーが配布されます。この2つの論文を比較して採点基準を推定します。

1、論文左に記載された記号について
或るときの最優秀答案(コピー)の点数と記号の関係を示します。点数は74点でした。

A+
A+
A+
A
A+
A
A
A

上記記載から、ベースとなる点数が70点であり、Aは±0点要素であり、A+とはプラス1点の加点要素ではないかと推定しました。

このときの自分の答案の点数は65点でした。以下に記号を示します。

A-
A+
A
B+
A-
A
B+

新たな記号A-,B+が表れていますが、それぞれA-を-1点要素、B+を-2点要素ではないかと推定しました。これを元に基礎点の70点からA+が1個=+1、A-が2個=-2、B+が2個の-4点を加算すると、今回の点数である65点となります。

その他の返却論文と記号と点数の関係を調査したところ、以下のように推定しました。

基礎点は70点であり、以下の記号と点数の対応により減点法で算出される。

 

記号A+は、+1点
記号A は、±0点
記号A-は、-1点
記号B+は、-2点
記号B は、-3点
記号B-は、-4点
記号C+は、-5点
記号C は、-6点
記号C-は、-7点

上記記号以外にも+1、+2等がそのまま記載されている場合があります。これは点数調整を目的として、事後的に加点要素を評価したのではないかと推定しています。

2、記号と判定内容の対応について
(1)Aと判断された場合
当段落において、レジュメに記載された重要キーワード及び重要条文が再現されていることと、理由づけが再現されていることが要素となると思われます。これにより減点無しと判断されます。

(2)A+と判断された場合
当段落において、レジュメに記載された重要キーワード及び重要条文が再現されており、かつ理由づけが更に適切に表現されていることがA+評価(加点)要素となると思われます。

(3)A-と判断された場合
当段落に措ける主語と述語の不整合、軽微な用語の誤り、または文章の流れの悪さだと思われます。

(4)B+またはそれ以下と判断された場合
当段落において、以下に該当する場合と思われます。
①レジュメに記載された重要キーワード及び重要条文が欠落していること
②積極ミスが存在すること
③理由づけが誤っているか、または記載されていないこと。

また、レジュメに記載された段落がそのまま欠落した場合も、もちろん減点要素となります。

3、結論
基礎ゼミにて高得点を取るためには、以下の三要件が必要だと判断します。
①レジュメに記載された段落を抜けなく記載すること。
②各段落の重要キーワード及び重要条文(要件)を誤りなく記載すること。
③各段落の理由付けを厚く記載すること。

なお、レジュメから更に深く踏み込んだ論証や、レジュメで省略された要件の記載などは加点理由(A+)とはなりにくいようです。逆に、レジュメに記載されている細かな要件が多少抜けていても、主たる要件の理由付けが厚く記載されていると加点理由(A+)と評価されていることが判りました。よって、加点を狙うならば、要件を更に追加するよりも理由づけを追加するほうが効率的と思われます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

論文式筆記試験・特実Ⅱ

今年(平成19年度)の論文式筆記試験の特許・実用新案法の問題Ⅱは、実は判例を充分に勉強していればそれほどの難しくはなかったのですね。定義・趣旨・要件・効果などの基礎レジュメ固めに集中していたので、難しく感じてしまいました。

まずは設問1の論点である「共有者の一人が無効審決取消訴訟を提起できるか」については、「平成13年(行ヒ)第142号 最高裁平成14年2月22日第二小法廷判決 審決取消請求事件(ETNIES事件)」が元となっています。(特許判例百選 114頁参照)

判決文のリンクは以下にあります。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/C58C13F2115911AC49256BF200267A0A.pdf

自分は、「単独提起可能であり、合一確定の要請を満たす」という点しか覚えておらず、文章で再現するのに結構苦労しました。

問題(2)については、無効審判において審理されていなかった新たな証拠を審決取消訴訟で提出できるか否かが論点となります。「昭和42年(行ツ)第28号 最高裁昭和51年3月10日大法廷判決」いわゆる「メリヤス編機事件」(特許判例百選 106頁)がその一つに相当します。特許庁で審理されなかった証拠を取消訴訟で主張することはできないとする有名な判例です。判決文は以下リンクです。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/257A0E4683F7B10749256A85003120BD.pdf

しかし、「食品包装容器の構造事件 昭和54年(行ツ)第2号 最高裁昭和55年1月24日第一小法廷判決」のように、出願当時の当業者の技術常識を示すことにより引用例の技術的意義を明らかにする補強証拠ならば、審決取消訴訟で提出することは許されるという判決もあります。判決文のリンクは以下にあります。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/0BCA55094B0DDC7749256A8500312020.pdf

この判決は特許判例百選には掲載されておらず、代々木塾の「判例セレクト知的財産法」125頁には掲載されていました。試験前には特許判例百選ばかり見ており、やや失敗したかと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

補償金請求権

本日の基礎ゼミは、補償金請求権(65条)に関する一行問題の答案返却でした。悪い予感がしたのですが、やはり点数的にはいまいちでした。具体的には権利の発生の記載の流れが悪かったのが問題です。出願公開 ⇒ 警告 ⇒ 実施の順には書いたのですが、青本のフレーズがきちんと再現できておらず、「自分でその場でやっつけで考えました」感がありありと見えてしまいました。
その他、権利の効力と行使についてもきちんと書き分けられなかったのも問題ですね。実は消滅要件は、答案構成には上がっていながらも時間切れで書けなかった項目が有りました。答案構成は15分で終わらせるべきですね、今回のように20分も掛かったならば、「非常事態につき、文章の精密さや字の綺麗さのいずれかを犠牲にして全項目を書き抜くべし」と考えるべきでしょう。
同じゼミのNさんと項目落ちの話をしていて、「コンパクトに書きぬけられるようにしたら」と言って、自分がそうすべきだと思ってはっとしました。自分の論文の記載は、冗長すぎるのが問題のようです。もっと短く要点だけを書いて、しかも項目を漏らさない方法を考えなければいけません。
余談ですが、LEC渋谷本校から駅への帰り道に、ドクター中松の選挙カーが街頭宣伝をしていました。選挙が近いんですね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

弁理士試験制度改革の影響の分析#2

弁理士試験制度改革の影響をコンピュータでシミュレーションしてみました。とはいっても、単なるExcelのワークシートですので、どなたでも再検証可能とおもいます。

ワークシート構成は以下のものです。

①H18real・・・平成18年度の実数から算出した短答・論文等の合格率です。
②H20~H30・・・平成20年度から平成30年度までの合格者数算出用シートです。
③TOTAL・・・短答・論文の合格率と最終合格者数との関係を算出したシートです。


1、合格者激増説

シミュレーションを元に合格者激増説を修正します。

①H20年
合格者は585名です。
②H21年
合格者は1083名です。
③H22年
合格者は1344名です。
④H23年
合格者は1195名です。

Goukakusyagekizou_1

「benrishi_goukakusyaGekizou.xls」をダウンロード

 

2、試験難化説
シミュレーションの結果、合格率をそれぞれ修正します。
前提条件を以下とします。
短答受験率=92.4%
短答合格率τ=1.36・γ
論文合格率γ
口述合格率κ=90.3%

合格者が600人で定常状態に至る要件は、
短答合格率τ=20.0%
論文合格率γ=14.7%

ほぼ定常状態と見做せるのは、H23年度以降となります。

Sikennanka_1

「benrishi_SikenNanka.xls」をダウンロード

| | コメント (0) | トラックバック (0)

成川式・司法試験、合格論文の書き方

「成川式・司法試験、合格論文の書き方」も一読しましたので、ご紹介します。

成川先生といえば、Wセミナー学院長であらせられますので、弁理士受験生にはそちらの方が有名かもしれません。しかし、成川先生がこれほど実践的な論文の書き方のノウハウ本を出版されていたとは知らず、驚きました。
最も具体的かつ実践的と感じたのは「特定答案と思われない為の回避策」です。
特定答案とは、答案用紙上にて特定の人間が書いたと試験委員に判断される答案のことです。特定答案の採点はおこなわれず無効となり、受験生は一年間を棒に振ることになります。
受験生の名前を答案上に書くのはもちろん、「マークや矢印」「電話番号やFAX番号」「よろしくお願いします」等のお願い事、「書中お見舞い申し上げます」など関係ない記載、欄外への記載、果ては学説に係る学者名を記載することも問題だとは知りませんでした。「中山説」「田村説」なんてものも危ない訳ですね。
また、答案を綺麗に見せるコツとして、平仮名は漢字の半分の大きさで書くことが紹介されていました。今までの癖があるので、なかなか綺麗に半分には書けないですが、平仮名をちょっとだけ小さく書くように練習してみました。心なしか自分の答案が読みやすくなったように思います。
この本も「司法試験機械的合格法」と同様に、ターゲットとする読者層は司法試験受験生ですが、弁理士受験生にも8割以上の部分は適用できると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

弁理士試験制度改革の影響の分析

これは、平成20年度から施行される弁理士試験制度が難易度に如何なる影響を与えるかについて、特許庁HPの弁理士試験統計と推定条件を元に算出した結果です。

1、平成18年度弁理士試験統計

現状把握の為に上記統計を分析します。
(1)志願者10060人の92.4%にあたる9298人が短答を受験します。
(2)短答式筆記試験に合格するのは30.9%に相当する2878人です。
(3)論文式筆記試験に合格するのは22.7%に相当する655人です。
選択免除者1676人のうち、25.9%に相当する434人が合格しました。
選択非免除者1202人のうち、18.4%に相当する221人が合格しました。
うち、選択非免除者合格率と選択免除者合格率の比から、選択試験の合格率は71.0%と推定されます。
(4)口述式試験に合格するのは、90.3%に相当する635人です。
(5)最終合格率は志願者の6.3%です。

2、弁理士法の一部を改正する法律(平成19年6月20日法律第91号)

この法律は平成19年3月9日に閣議決定された、「弁理士法の一部を改正する法律案」は平成19年6月12日に可決・成立し、6月20日に法律第91号として公布されております。
弁理士試験に影響を与える部分の要旨を抜粋します。
1、短答式筆記試験の合格後2年間免除(11条1号)
2、論文式筆記試験の必須科目の合格後2年間免除(同2号)ここでいう必須科目とは、特実意商全てを合格したものをいいます。(10条1号)
3、論文式筆記試験の選択科目の合格後の免除(同3号)
4、一定要件を備えた大学院における工業所有権に関する科目を習得したものの、課程を修了した日から2年間の短答式筆記試験の免除(同4号)

いままで持ち越すことが認められていなかった短答・論文必須科目が合格後2年間免除され、かつ選択科目は一度合格したならば、以降は選択科目免除者と同等の扱いがされます。これは、各試験の競争率が同一と仮定したならば、極めて受かりやすくなるようにも思えます。これを「合格者激増説」と呼びます。

しかし、日本弁理士会HPや特許庁HPを参酌すると、特許庁は現在の弁理士試験合格者の質について十分であるとは認識しておらず、むしろ質の向上に対する施策が必要であると考えているようです。よって、今回の法改正は合格しやすくする施策として運用されるとは考えにくく、短答試験・論文試験・口述試験は難化すると思われます。これを「試験難化説」と呼びます。

二説の共通の前提条件を以下に記載します。

①受験者総数は10000人が維持されます。
②志願者が短答を受験する割合は92.4%のままです。
③口述の合格率は90.3%のままです。
④短答免除資格または必須科目の論文免除資格を取得した受験者は、かならずその後2年間は受験します。
⑤一定要件を備えた大学院からの受験者の影響は考慮しません。

合格者激増説
短答試験・論文試験・口述試験の競争率は変わらず、よって合格者が激増するという説です。

1、前提
・短答試験・論文試験・口述試験の競争率は変わらないと仮定します。

2、合格者の推移
①H20年
合格者は600名程度です。
来年以降の試験に措ける短答免除者は2248名、必須論文免除者176名(うち選択免除者は115名)です。
②H21年
合格者は1057名です。
来年以降の試験に措ける短答免除者は3405名、必須論文免除者267名(うち選択免除者は154名)です。
③H22年
合格者は1167名です。
来年以降の試験に措ける短答免除者は2717名、必須論文免除者213名(うち選択免除者は124名)です。以降は定常状態に収束します。
④H23年
合格者は1167名です。
来年以降の試験に措ける短答免除者は2668名、必須論文免除者209名(うち選択免除者は124名)です。以降は合格者数・短答免除者数・論文免除者数ともに同様の人数のまま推移します。

余談ですが、H22年に弁理士受験史上初めての「短答免除資格を有さない論文免除資格者」が発生します。短答免除2年目に初めて論文に受かり、かつ口述に落ちた場合です。その者は、H23年度には短答免除資格を喪失し、かつ論文免除資格1年目を有するために、短答式筆記試験と口述試験のみで合格可能です。

3、備考
この説の欠点は、最終合格者数が倍ちかく増え、弁理士の質の低下を招くと思われることです。特許庁が問題視している「弁理士の質の低下」に真っ向から抵触します。また、現状の合格率6%がわずか3年間で倍増します。合格率の急激な変化は弁理士の質の急激な変化を引き起こす蓋然性が高いです。
よって、特許庁がこの施策をとるとは考えにくいと判断します。

試験難化説
短答試験及び論文試験を難化させて、合格者を6%程度に絞る説です。

1、前提
・短答試験の競争率τと論文試験の合格率γの関係は以下と仮定します。
  1.36τ=γ  (H18年度実績より)
・論文試験の合格率γは、選択科目と必須科目両方に合格した者の割合をいいます。
・論文試験の必須科目の合格率を h と定義します。
・論文試験の選択科目の合格率を s=71.0%と仮定します。(H18年実績より)
・選択免除者と選択非免除者の割合は50%ずつと仮定します。このとき以下の式が成立します。
  γ=(0.5・h+0.5・h・s)=0.5(h+0.71・h)=0.855・h
・口述試験の競争率κ=90.3%と仮定します。(H18年実績より)

2、定常状態
(1)短答式筆記試験について
短答受験者数をΤとすると、
短答免除1年目の人数は、Τ・τ・(1-γ)で、
短答免除2年目の人数は、Τ・τ・(1-γ)・(1-γ)です。
短答受験者と免除者の和はΤ(1+τ(2-3γ+γ・γ))で、9240名と仮定します。(H18年度受験者数より)

(2)論文式筆記試験と口述試験について
口述試験の合格率κ=90.3%と高いことから、論文合格者と口述合格者は等しいと仮定し、論文免除者は無視して近似計算します。
論文受験者数は、Τ・τ・(3-3γ+γ・γ)です。


(3)最終合格者数について
最終合格者数は、Τ・τ・(3-3γ+γ・γ)・γ・κで、600名と仮定します。
多次連立方程式に前提の式を代入すると、以下の解が導かれます。

短答受験者(非免除者数)Τ=7206名
短答合格率 τ=19.0% 
論文合格率 γ=14.0%
論文必須科目合格率 h=16.8%
論文選択科目合格率 s=71.0% (H18年度実績より推定)

(3)過渡状態
試験制度改正前から、試験制度改正後の定常状態に向けてなだらかに移行する要件を備えた一例です。

①H20年度
短答合格率τ=24.3%、論文必須科目合格率 h=25.8%
最終合格者446名です。
来年以降の試験に措ける短答免除者は1761人、論文免除者は138人です。

この年の短答合格率は、試験制度改正2年前(平成18年度)の短答合格率と、定常状態の短答合格率の相乗平均と仮定しました。

②H21年度
短答合格率 τ=19.0%、論文必須科目合格率 h=20.9%
最終合格者642名です。
来年以降の試験に措ける短答免除者は2596人、論文免除者162人です。

この年の論文必須科目合格率は、試験制度改正2年前(平成18年度)の論文必須科目合格率と、定常状態の論文必須科目合格率の相乗平均と仮定しました。

③H22年度
短答合格率τ=19.0%、論文必須科目合格率 h=16.8%
最終合格者657名です。
来年以降の試験に措ける 短答免除者は2094人、論文免除者110人です。
以降は、ほぼ定常状態のまま推移します。

3、備考
最終合格者数は、ほぼなだらかに推移し、かつ合格者数もほぼ6%前後に推移することから弁理士の質の向上に寄与すると思われ、特許庁が問題視している「弁理士の質の低下」への対策となりえます。よって、特許庁が上記施策を予定している蓋然性は高いと判断いたします。

4、短答ボーダーの推移の推定
平成19年度のLEC短答リサーチの得点分布から推定した合格点の推移の推定を以下に記載します。平成19年度は短答受験者のうち、39点以上を得点した29.5%が合格しました。これは短答リサーチ参加者のうち上位960名に相当します。

①H20年度
過渡的に短答合格率が24.3%に上昇するということは、短答リサーチ参加者でいうと上位790名に相当し、このときのボーター点数の推定は41点となります。プラス2点ボーターラインが上昇することになります。

②H21年度以降
定常状態に措いて短答合格率が19.0%に上昇するということは、短答リサーチ参加者でいうと上位618名に相当し、このときのボーター点数の推定は43点となります。プラス4点ボーターラインが上昇することになります。

なお、上記推定は一定要件を備えた大学院における工業所有権に関する科目を習得したものの、課程を修了した日から2年間の短答式筆記試験の免除(弁理士法11条4号)を全く考慮しておりませんので、上記の「試験難化説」の仮定よりも更に難化する可能性すら否定できません。

以上

| | コメント (0) | トラックバック (0)

特許法概説

吉藤先生・熊谷先生共著の「特許法概説」をチェックしてみました。いわゆる「よしふじ」です。いや、一時期に比べて少し値段は下がりましたが、やはり高価ですね。このブログを書いている時点の中古価格は\34,799-です。


過去問やレジュメを見てみると、この本が元ネタとなっているものが多いのですね。例えば以下のものです。

◆国内優先権利用の3類型
 (発明の単一性利用型、上位概念抽出型、実施例補充型)

◆公序良俗違反(32条)の類型
 (金塊密輸用チョッキ、阿片吸引具、男性精力増強具)

◆共同発明者に該当しない4類型
 (単なる管理者・補助者・後援者・委託者)

「よしふじ」は弁理士試験の受験生ならば必ず聞いたことのあるフレーズで満載です。復刊ドットコム で、この本の復刊希望を出しておりますので、弁理士受験生の方は是非ともご協力をよろしくお願いします。レジュメに反映されているから要らんというのは言いっこなしです。(笑)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

司法試験機械的合格法

しもがも先生のブログに触発され、「司法試験機械的合格法」を購入しました。いま要部を読み終わったところです。

司法試験と弁理士試験は、取得できる資格に違いはあれども、(1)法律の条文に係わる試験であること、 (2)短答(択一)試験が科され、その後に論文試験が科され、最終試験として口述が科されること、などの共通点があります。

勉強の仕方、論文の記載方法などに色々と共通項があり、面白さゆえに一気に読み終えてしまいました。司法試験では専門受験生が多くて、バイトで食いつなぎながら受験する方が多いのでしょうか、その点はちょっと違った世界を見るようで面白かったです。

内容を一部だけ紹介します。以下は「落ちる答案」の例です。(155頁~)

◆判例や基本書の言い回しを真似る
 ⇒ 読みにくくて長い。
◆話し言葉で書く
 ⇒ だらだら長い、主語述語の省略、論理飛躍、改行なし
◆不要か、関係ないことが書いてある。
 ⇒ 論証の要素欠落
◆同じ事が何度も書いてある
 ⇒ ・・・・耳が痛い・・・・
◆安易に具体例を使う
 ⇒ ・・・・最近は審査基準に記載の例に限定してます。セーフかな。
◆改行していない。
 ⇒ 読みやすさの為
◆ただの知識の羅列
◆自分がわからないことを勝手に論点にしている
 ⇒ ・・・これも耳が痛い・・・
◆他説批判しかしていない
 ⇒ そういえば佐藤卓也講師が「他説を叩いても自説の正当性は立証されない旨を言われていました。
◆必要のないところまで引用
 ⇒ 問題文や条文の単なる引き写しではなく、要点のみ
◆自分の意見がない
 ⇒ 主張がなければ論文ではない。
◆文学的な表現をしている
 ⇒ やたら難しい表現、体言止めを多用。
◆当然のように学説や理論名を記載
 ⇒ 学説名等はいったん紹介した後に使うこと。
◆問題提起がない
◆理由がない
◆結論がない。
 ⇒ 論文とは主張を述べた文章であるから。

上記項目のうち一部は弁理士試験の論文とは相違する点もあります。具体的には「自分の意見がない」などの点です。弁理士試験の論文は自分の意見を述べる場ではなく、特許庁が条文や審査基準等に込めた意思をきちんと理解していることをアピールする場だと考えています。
よって、自ずから「受かるべき答案」の姿も、この本の記載とは異なったものとなると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

受験生仲間と遭遇

昨日は、特許の中間処理の打合せのため会議室に行くと、見覚えのあるショートカットの女の子が某弁理士先生と一緒にいました。4月の短答ゼミを一緒に受けた人で、某弁理士と同じ事務所だったのです。
向こうも気づいたらしく、にこにこしながら会釈してくれたので、ちょっと会釈して某弁理士と打合せをしました。
打合せが終わったあと、彼女にちょっと様子を聞いてみました。来年に向けて頑張っているそうです。自分の様子を聞かれたので、先日論文試験を受けたことを話しました。
会話を聞いて、某弁理士先生が目が点になっていました。自分のアシスタントが意外なところで勉強仲間を作っていることに驚いたのでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ゼミの効用

しもがもさんのブログに、弁理士試験に措けるゼミの効用について記載されていました。
昨年度1年間ゼミを受けた者として興味深く読ませていただきました。

自分が考える最も高いゼミの効用は、「ゼミの受験生達の本気度」を感じることができることだと思います。
自分が最高だと思える論文を書き込んで提出しても、それを更に上回る点数を叩き出す受験生仲間が多数いました。「彼らは既にもっと先に行っているんだ・・・」 そのような状態でなければ、更に上を目指して知識のインプットを図ることはできなかったのだろうと思います。

また、勉強時間の捻出の仕方も参考になりました。自分と同じように小さな子供の世話を抱えて勉強に励む受験生達の話を聞くと、子供を言い訳にはできないと思いました。
もちろん、しもがもさんのブログに記載された欠点も体験しました。しかし、それを知った上で利点をうまく自分の勉強に反映させることで、飛躍的な成長を遂げることも可能であると思います。

ところで、しもがもさんのブログは続きがあるのですね。どんな内容なのか楽しみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

弁理士試験・論文式筆記試験要綱

論文式筆記試験のこまかな実施要綱を記載します。論文式筆記試験を受験した経験のない方に向けた情報共有の為です。既に論文式筆記試験を受験された方は、何か誤りがありましたらコメント欄等で指摘願います。

1、試験室への入室
午前9時10分以降に入室することができます。会場に掲示された各教室の受験番号表をもとに試験室を確認した上で、9時半には会場に着席して待っていなければいけません。時間を経過した場合には本人の責によらず、試験開始から30分を経過していない場合のみ受験が可能ですが、できる限り早期に現地到着した方がよいと思われます。自分は8時半頃には渋谷に到着し、マクドナルドでコーヒーとアップルパイを頼んで時間を潰しました。中には渋谷のホテルに前泊する方もいます。体力の消耗を防ぐ趣旨です。

2、受験時間について
特実が10時から12時、意匠が13時15分から14時45分まで、商標が15時30分から17時まででした。意匠法及び商標法の試験については、試験開始時刻の20分前までには着席していなければいけません。これは法文集・論文答案用紙・問題集を配布する為です。

3、筆記具
答案用紙への解答の記載には、黒又は青インクの万年筆、つけペン又はボールペンを使用する必要があります。(鉛筆、サインペン、インクがプラスティック消しゴム又は摩擦熱等で消せるものは使用不可です。不正行為の抑止の為と思われます)自分は万年筆+黒インクを使用しました。最もはっきりと記載でき、採点官の心証も良いだろうと判断した為です。但し、うっすらと裏に滲んでしまったので、ちょっと困りました。もしかするとブルーブラックインクの方が裏に滲まないのかもしれません。

4、電子機器等の使用について
電卓その他計算機能の付いたものの持込は禁止されています。携帯電話等を時計として使用することはできません。試験官が、トイレ等で室外に出る際に携帯電話等を共に持ち出すことは禁じる旨と、電源を切ってバッグ等に収納しておく旨を言われました。不正行為の抑止のためと思われます。

5、飲食について
試験時間中の飲食・喫煙は禁じられています。予備校の答練のように、ペットボトル等を飲みながら試験を受けることはできません。その代わり各法域の試験時間が終了したならば飲食は自由です。休憩時間には喫煙場所に行かれる方、自動販売機で飲料を買う方などがおられました。

6、貸与法文集の取り扱い
貸与法文集に書き込みをしたり、頁を折り込んで印をつけることは禁じる旨を試験官から言い渡されました。

7、各法域に措ける試験の流れ
(1)各試験時間15分前
3名の試験官が前に立ち、受験生に着席するように言い渡します。試験官は教壇にあたる場所にいる主試験官と、両脇の副試験官2名です。副試験官はみな黒のスーツで「特許庁」の札を首から掛けた女性でした。副試験官からティッシュペーパー(万年筆の先端部を拭く為)と定規のチェックを受けました。机の上に置いてよいものは筆記具・ラインマーカー・時計およびチェックを受けた定規とティッシュペーパーとハンカチだけです。なお、筆箱等はいっさい使うことはできません。不正行為の防止の為と思われます。

(2)法文集と論文答案用紙の配布
副試験官が法文集を配布したのちに論文答案用紙を配布します。特許法は青(1枚目)と赤(2枚目)、意匠法と商標法は青色の1枚だけです。論文答案用紙は各受験機関が用いているものとよく似ていますが、最初から法律名が印刷されていることと、氏名を書く部分にミシン目が入っているところが違います。このミシン目は採点の際に切り離すものであり、受験生はこれを切り離してはいけません。受験生達は、受験地の該当個所(東京・大阪)に丸をつけて受験番号と氏名を記入して待ちます。

(2)試験問題集の配布
試験5分前には副試験官2名から試験問題集が配布されます。この試験問題集を試験開始前に開いて見ないよう主試験官から厳しく言い渡されます。「試験開始前に問題集を開いたものは、不正と見做し採点をおこないません。」
そこからは、あの「不気味な静寂」が教室を包みます。誰も身じろぎひとつせず、咳払いすらせず、遠くの物音がだんだんはっきりと聞こえてきます。

(3)試験開始
時間になると主試験官が「はじめ」と言い渡します。受験生達は問題集のホッチキス止めを外して問題と答案構成用の白紙2枚を取り出し、答案構成を開始します。パリパリという音があちこちから聞こえます。勢いよくホッチキス止めの部分を破る音です。

(4)一時間経過
試験から1時間が経過すると主試験官がその旨と共に、「これから退室が可能である」旨が言い渡されます。試験開始前に着席したのち、この時間になるまではトイレに行くことも禁じられました。但し、教室によってその運用は異なっており、トイレに行ってもOKだった教室もあったようです。

(5)試験終了10分前
主試験官が「試験終了10分前です」と言い渡します。

(6)試験終了
主試験官が「やめ」と言い渡します。副試験官2名が答案用紙を回収したのち枚数確認します。特実と意匠のあとは、副試験官が法文集を回収しました。自分は特実のときに法文集の表紙をインクで少し汚してしまいました。該当条文集を持ち帰られた方がおられましたら、申し訳ありません。

(7)必須科目すべてを受験したならば、弁理士試験用法文集を持ち帰ることができます。(商標法の試験時間終了後)今年はオレンジ色の表紙でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

職務発明@○ーニング

職務発明のレジュメを回していると、数年前に読んだマンガのことを思い出してしましました。あらすじを以下に記載します。

主人公の甲さんはX会社の社員です。甲さんの異動先で、輝かしい開発実績により昇進した乙部長と、乙部長の同期でありながら閑職にいる丙さんと知り合います。
甲さんが丙さんの自宅に行って見ると、自費で最新の研究設備を揃えて高度な開発を行っているのを目撃します。過去に開発部にいたので、その延長として半ば趣味で開発しているそうです。
そして、甲さんは社内文書等から、乙部長の開発実績とされていたものが、実はすべて丙さんの手によるものであり、乙部長はその実績を横取りしていたことを知り愕然とします。乙部長は実はそのような腹黒い人間だったのか・・・甲さんはショックを受けます。
その後、乙部長の担当する新製品αについて、他人の特許権Aの発明の技術的範囲に入るため実施できないことが判り、社内が騒然となります。その特許権Aの特許権者とは、他ならぬ丙さんだったのです。

乙部長 「この特許が丙のものだったら、会社に権利はないのか?」

知財部員丁 「駄目です! 特許権Aの出願時には丙さんは既に開発職ではなく、しかも自宅の実験設備を使って業務時間外に開発したものだそうです。」(つづく)

さて、このマンガのストーリーですが、受験生の方は職務発明に係わる設定がデタラメなのがお分かりですね。職務発明とは以下の3要件を有するものを言います。

1、従業者等の発明であること。(35条1項)
丙さんはX会社の従業者であるため、この要件を満たします。
2、その性質上、当該使用者等の業務範囲に属する発明であること。(35条1項)
X会社は新製品αを発売しようとしており、特許権Aの発明の技術範囲(70条)に属する発明であるために、この要件を満たします。
3、その使用者等における従業者等の現在又は過去の職務に属する発明であること。(35条1項)
丙さんは過去に開発部にいました。そして今でも趣味で同じように過去の職務に属する開発を行い、その結果として特許権Aを出願していますので、この要件も満たすと解されます。なおかつ業務時間外に自宅の実験設備で発明したことも、職務発明でないという抗弁理由にはなりません。使用者等と従業者等の利益調整のためです。

よって、特許権Aに係わる発明は職務発明(35条1項)であり、X会社は無償の通常実施権を有します。よって新製品αの製造販売は丙さんの特許権Aの侵害にはなりません。

また、勤務契約や勤務規則等に予約承継が規定されていたならば、X会社は特許権Aを承継することが可能です。このときも新製品αを製造販売する権原を有します。(35条3項)但し、丙さんに相当の対価の支払いを要します。従業者等と使用者等の公平の観点からです。

さて、このマンガの結末をご紹介します。

新製品αは発売できないのか・・・、蒼白となった乙部長の前に丙さんが現れて言います。

丙 「特許権Aを使えよ。オレはお前の元で好きなだけ開発に打ち込むことができて、本当に感謝しているんだ」

丙さんの手をにぎって涙ぐむ乙部長・・・・

(HAPPY END)

乙部長の前に丙さんが現れて「使えよ」と言った時点で、78条の許諾による通常実施権が発生し、新製品αは無事に製造販売できることになりました。これが「いい話」になるためには、特許権Aが職務発明でないことが要件となります。

自分がこのマンガの設定についてコンサルタントを受けたならば、乙さんは子会社に飛ばされて運転手(お約束)の業務に携わっていることにします。子会社とはいえ別の法人であり、よって特許権Aに係わる発明はX会社の退職後の発明に該当し、よって職務発明(35条)には該当しないと解されます。これで全てのストーリーが誤りなく繋がることになります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

LEC・速攻!論文試験要点解説講座

LECの 速攻!論文試験要点解説 を聞いてみました。
佐藤卓也講師のお声を聞くのも1年ぶりくらいです。LEC飯田橋校に通って佐藤講師の講義を受けていた頃をなつかしく思い出します。

特実Ⅰ(1)は、訳文の提出の根拠条文として184条の4だけではなく、PCT22条を書くように言われていました。また、出願審査請求の根拠条文として184条の17を挙げるように言われていました。この解説を聞くまでは184条の17は全く念頭に無かったです。まだまたPCT関連条文には知識の穴が多かったようです。

特実Ⅱ(1)(ロ)は、丙は参加人なので、文理上は審決取消訴訟(178条)に参加できることを言われていました。これは全く意外な論点でした。
佐藤講師は、専用実施権者は補助参加人(148条3項)でしかない事から、単独では審決取消訴訟を提起できず、よって乙及び甲から特許権の譲渡を受けて特許権者となるべき旨を言われておりました。このような論点の展開は全く行っていなかったので、この問題は余り高い点数はつきそうにないですね。

意匠Ⅰは、一行問題のような問題が出たことを喜んでおられ、本試験1週間前からは定義趣旨をやり込むことを薦められておりました。

自分が気づかなかった点は、販売直前に出願すれば発売時期と公報掲載時期のジレンマは解消できるが、「先願の地位を確保できない」点ですね。意匠登録出願しないという極端な事例を出すのはどう取られるでしょうか。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

慌てて二重線

今回の論文式筆記試験で、慌てて二重線を引いた場所が2つあります。

特実Ⅱ設問(1)(イ)に措いて、「甲乙から丙への特許権の譲渡」という項目を書いて、丙が特許権の譲渡を受けて審判に参加できるための要件を考えながら、文章を1行書き始めたときです。
問題文の、「専用実施権者として審判手続に関与するために、」の文章に抵触するのを感じ、慌てて2行に渡って二重線を引きました。特許権の譲渡を受けて、特許権者となっても審判請求はできますが、題意に反しますので消去して正解でした。

特実Ⅱ設問(2)の①②ともに、新たな証拠に見えてしまいました。
メリヤス編機事件を当て嵌めると、どちらも審決取消訴訟(178条)には行けそうにありません。①は現在の無効審決が確定するまでに無効審判を再度請求すれば良いと考えて、どちらも無効審判の請求であると考えて3行ほど書き進めたところで、「そんなバランスの悪い答えがあるか」という叫びが頭の中に聞こえ、慌てて3行とも二重線で消去しました。

そもそもメリヤス編機事件は、無効審判の証拠とは全然違うものを審決取消訴訟で提出した判例だから、補強証拠なら審決取消訴訟でも提出可能ではないかと推測し、おそるおそる論証しながら進めました。このときの時刻は11時50分から55分だったと思います。
②は間違いなく無効審判ですから、ここで167条の一事不再理と時期的制限無きことを述べて終了しました。
「以上」を書いてから、試験官の「やめ」の声までおそらく1分もなかったと思います。その1分間の間に根拠条文が抜けている場所に可能な限り条文番号を書き込んでいました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

論文本試験に措ける自分のミス #2

平成19年度弁理士試験論文式筆記試験(必須科目)問題及び論点
これを元に、自分のミスについて記載します。

特実Ⅱの設問(2)は、丁は、甲と乙の両方を審判被請求人として無効審判を請求しなければなりませんでした。根拠条文は132条2項です。ここに全く触れずに、メリヤス編機事件を念頭に、審決取消訴訟(178条)か無効審判(123条)かの選択を延々と述べてしまいました。

特実Ⅰの設問(3)(ロ)は、発明イの削除補正と共にシフト補正(17条の2第4項)の検討をすべきでした。法改正部分なのでマークしていた筈なのに、見事に丸ごと落してしまいました。あとは、数値限定前の発明ロが進歩性を有しない事と、数値限定補正した後の発明ロが進歩性を有することを更に手厚く書くべきでした。でも、時間配分上ムリだったでしょうけどね。

特実Ⅰが終了したのは11時25分でした。特実Ⅱが未記載の状態で特実Ⅰに更に時間を割くことはできませんでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

論文本試験に措ける自分のミス

特実Ⅰ
(1)(イ)
国内書面(184条の5)と手数料(195条2項)は取下擬制対象ではなく、補正命令の対象です。ただ、この手続きがないと次の出願審査請求(48条の3)に繋がらないので、どう記載すべきだったかは悩むところです。
(2)出願A2の発明イについて
出願B2は出願日から1年3月で見做し取下げとなるのですが、これはパリ優先日(出願B1の出願日)から1年3月と勘違いしていたようです。実際にはB2の出願日から1年3月で取下げ擬制で、かつパリ優先日から1年半で出願公開(64条)されるので、B1の出願日からB2の出願日が3月以上12月未満ならば、出願B2は出願公開され、29条の2の後願排除効を有します。
そうでなく、B1の出願日からB2の出願日が3月以内ならば、出願B2は出願公開されません。しかし、出願B3の出願公開による見做公開(41条3項)となり、同様に29条の2の後願排除効を有します。

特実Ⅱ
(1)(ロ)甲乙の共有の特許権ですので、第三者への譲渡には甲の許諾を要します。(73条1項)これは特許庁の公表論点にも上がっており、痛い論点落としでした。

意匠Ⅰ
秘密意匠の法改正部分について全く触れていなかったのが痛いです。登録料納付と共に秘密請求できることについてH18法改正本の趣旨を書くべきでした。

意匠Ⅱ
意匠の類似の抵触部分(26条2項)は、意匠権者が実施でき、それを通常実施権者が「援用できる」と書くべきだったと思います。

商標
設問2の、実際の使用のあるときの「不正の目的」について、汚染化、希釈化について全く述べなかったのが痛いです。完全にフリーライドのみしか思い浮かびませんでした。やはり本試験では頭脳の出力が通常の8割に減衰しますね。

設問3の、甲の正当理由の具体例を明示できなかったのは痛いです。商標法の判例は軽く読んだだけですので、個々の具体例には疎いです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

商標法・答案構成

設問(1)Aが本件商標権を消滅させるために特許庁にとることができる手続きについて
1、不使用取消審判の請求(50条)
・継続して3年不使用の要件を満たす為、
2、無効審判の請求(46条)
・4条1項15号・・・広義の混同を生ずる恐れ有り、5年以内であり除斥期間の適用なし(47条)5年を過ぎても不正競争の目的有れば除斥期間適用なし。(47条)
・4条1項19号・・・周知商標+不正の目的、除斥期間の適用なし(47条)

設問(2)
①甲がイ商標について不使用で、かつ不正の目的に該当するとき。

「奇貨として、」他人買い取らせることを目的、
わが国では登録主義を採用するが、3条1項柱書に違反し使用意思なき商標権の登録は法の趣旨に反する為。
②甲がイ商標について使用し、かつ不正の目的に該当するとき。
他人の著名性にフリーライド、広義の混同を生じ、出所の混同を生ずるとき。

設問(3)
1、Aがイ商標の不使用を理由として本件商標権を消滅させることができる場合

・甲が、社会通念上同一の商標を実施権者が過去3年に使用していることを証明できないときで、かつ甲の「ビデオゲームセンター『ROPOPO』近日開店」の印刷物の頒布は2条3項8号の商標の使用にあたるが、Aが不使用取消審判を請求することを甲が知った後の使用であることを、Aが証明したとき。

例:回答書にて不使用取消審判の請求を明示、回答書は配達証明+内容証明が望ましい。

2、Aがイ商標の不使用を理由として本件商標権を消滅させることができない場合
・甲が、社会通念上同一の商標を実施権者が過去3年に使用していることを証明したとき。
または、甲の「ビデオゲームセンター『ROPOPO』近日開店」の印刷物の頒布は、Aが不使用取消審判の請求であることを甲が知った後であるが、甲に正当な理由が有れば本件商標権は消滅させられない。

以上

| | コメント (0) | トラックバック (0)

意匠法・答案構成

問題Ⅰ・秘密意匠が設けられている理由について
定義:出願人の請求により登録から一定期間その意匠を秘密にすることを請求できる制度。(14条)
趣旨:登録意匠(20条1項)は意匠公報で公開されることが原則(20条3項)、
∵権利範囲を公示し、第三者の侵害を未然防止するため。
意匠は物品の形態であり、公開により意匠権者の将来のデザイン動向を競合他社に把握され、発売前に商品形態が公開される不都合がある。しかし、出願しない場合には意匠法による保護なく、模倣を防止できない。
よって法は、出願人の請求により登録から一定期間その意匠を秘密にすることを請求できる秘密意匠制度を設けた。
但し、意匠の実体が公開されない事による第三者の不利益防止のため、権利行使に一定の制限あり。(37条3項、40条但書)

問題Ⅱについて
(1)意匠ハについて意匠登録をうけることができるかについて

1、結論
意匠ハは原則として意匠登録を受けることができない。
2、原則
意匠イは意匠ハの先願で、意匠ハは9条1項で拒絶。
意匠ロは意匠ハの先願で、意匠ハは9条1項で拒絶。
3、関連意匠の検討
意匠イと意匠ハは類似なので、意匠ハを関連意匠(10条1項)とすれば9条の拒絶は免れるが、意匠ロを先願に拒絶(9条1項)。
意匠ロと意匠ハは類似なので、意匠ハを関連意匠(10条1項)とすれば9条の拒絶は免れるが、意匠イを先願に拒絶(9条1項)。
意匠イ・ロ・ハ全ては関連意匠出願できない。∵意匠イと意匠ロは非類似で、10条3項により意匠ロが拒絶。
4、意匠ハが意匠登録を受けられる場合
・意匠イと意匠ロ両方の取下、却下、放棄、拒絶確定(9条3項)∵先願の地位の喪失。
・意匠イの取下、却下、放棄、拒絶確定(9条3項)かつ、意匠ロと意匠ハの関連意匠(10条1項)
・意匠ロの取下、却下、放棄、拒絶確定(9条3項)かつ、意匠イと意匠ハの関連意匠(10条1項)

問題(2-1)
・丁は、意匠ロの実施権原を有さずに業として実施(2条3項)
→形式的には丙の意匠ロの侵害(23条)
・しかし、丁は意匠イの通常実施権者(28条)で、
乙は、意匠イ及び意匠ニを実施可能(26条2項反対解釈)∵先願優位の原則。
よって、意匠イの通常実施権者(28条)の丁は同様に意匠ニを実施する権限を有するため、侵害とならない。

問題(2-2)
・形式的には存続期間の満了により、意匠イに係る意匠権は消滅、
それに伴い意匠イの通常実施権も消滅。∵通常実施権は意匠権にもとづく権利。
・しかし、意匠の存続期間の満了により32条の通常実施権が発生する場合があり、
→丙が登録(準特99条1項)した通常実施権(28条)を有する場合。∵公平の観点
丙の実施は原権利の範囲内で(32条1項)、実施料の支払いを要する。(32条3項)

以上

| | コメント (0) | トラックバック (0)

特実Ⅱ・答案構成

問題Ⅱについて
(1)(イ)丙が審判手続きに関与するために特許法上取り得る対応について
・丙は補助参加人として参加するため、申請書を審判長に提出(149条1項)
・補助参加人は一切の審判手続きが可能(148条4項)
(ロ)特許権Aに係る特許を維持するために丙が特許法上とり得る対応について
・丙は譲渡を受けた特許権の登録手続きを実施(98条1項)∵登録が効力発生要件。
・丙は単独で審決取消訴訟を提起可能(178条)
∵審決取消訴訟は形成判決で、取消認容判決/取消棄却判決いずれも合一確定の要請を満たすため。

(2)①の場合について
・丁は、審決の謄本の送達から30日以内(原則)に審決取消訴訟(178条)を提起すべき
∵刊行物Yは刊行物Xの補強証拠、理由と証拠は変更されていない。
②の場合について
・丁は、別個の無効審判を請求すべき(時期的制限は特に無し)
∵刊行物Yは別の理由、別の証拠であるため。一事不再理(167条)は不適用。

以上

| | コメント (0) | トラックバック (0)

特実Ⅰ・答案構成

特実・問題Ⅰの答案構成を以下に行います
代々木塾の「新・論文サブノート風」に体言止めですが、本試験では勿論、「・・・である」の語尾で記載しました。

問題(1)(イ)日本国の特許出願とみなされた出願A2が取下げられたものと見なされないための、日本国において甲がなすべきすべての手続きについて
・国内書面提出(184条の5)
・翻訳文の提出(184条の4)
・手数料(195条2項)
→国内移行手続きが完了する。
・出願審査請求(48条の3)
→国内処理基準時が確定する。
・特許管理人の選任(8条・184条の11)
→国内処理基準時が属する日から経済産業省令が定める期間内に手続きすること。

(ロ)①刊行物Xの発表に対する出願A2の時期的制限
原則は刊行物Xにより発明イ及び除草効果を有する旨が公知(29条1項3号)、
発明ロは進歩性欠如(29条2項)となる。
よって、新規性喪失例外(30条)の適用を受ける必要あり、刊行物Xの発表から6月以内に出願A2を出願すべき。

②日本国において甲がなすべき手続きについて
国際特許出願の新規性喪失例外の手続(184条の14)
国内処理基準時が属する日から経済産業省令が定める期間内に手続きすること。
その旨+証明書面の提出を要する。

設問(2)出願A2に係る発明イが乙による出願による29条の2の無効理由を有すかについて
出願A2のイは、29条の2は出願A1の出願日で判断される。
出願B3のイは、29条の2は出願B3の出願日で判断される。
∵優先権の累積適用なし。(41条2項)
よって、出願A2のイは、出願B3のイを理由に29条の2では拒絶されない。

・出願A2に係る発明ロが乙による出願による29条の2の無効理由を有すかについて
出願A2のロは、29条の2は出願A2の出願日で判断される。
出願B3のロは、29条の2は出願B2の出願日で判断される。
∵国内優先権(41条)の効果
出願B3のロは、出願公開(64条)、B2の公開擬制、
よって、出願A2のロは、出願B3のロを理由に29条の2では拒絶される。

問題(3)(イ)発明イの拒絶理由と引用例について
29条1項3号:刊行物X
29条の2:出願A1

発明ロの拒絶理由と引用例について
29条2項:刊行物X

(ロ)乙が出願B3の拒絶を回避するための手続きについて
発明イは請求の範囲から削除する補正(17条の2)
発明ロは数値範囲を限定する減縮補正(17条の2)
かつ、特段の効果を有することを意見書で主張(50条)

以上

| | コメント (0) | トラックバック (0)

論文本試験

もう昨日になりますが、論文本試験を受けてきました。
やはり本試験は独特の緊張感があります。
試験10分前には法文集が配られ、5分前には問題用紙が配られます。すると皆物音ひとつ立てずにじっと待っており、エアコンのダクトの音・外を走る車のエンジン音・果ては周囲を飛ぶ鳥の鳴き声まで聞こえてきます。そんな不気味な静寂が5分も続くのです。気分を逸らすために、なにか別のことを考えないと、気持ち悪くなりそう・・・そんな不思議な5分間でした。
問題の中身の検討は後日にします。特許・実用新案法Iは特別に難しい問題で驚きました。いままで答練や模擬試験を通しても、これほど難しく論点が豊富な問題は見たことがありません。やむを得ず、最低限の答えとなるべき文章に限定して箇条書きするようにしましたが、それでもまだ記載しきれない感じでした。
それに比べると意匠・商標は普通の問題でした。他に隠れ論点が潜んでいないかとドキドキしてしまいましたが、杞憂のようです。

試験科目ごとに頭の中で唱えていた言葉、
「過去は変えられない、でも、未来ならばもしかしたら変えることができるかもしれない」
そうやって、終わった科目のことを頭から排除しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »